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愛がなんだのYRFWのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.2
半径10m以内の邦画作品大好きな自分にはずっしり来ました。
台詞、感情、関係性も綺麗過ぎず、リアリティに溢れている。
世の中には共感できる感情もあるが、わからない感情があって当然。
それがそのまま映画になっている印象。

片思いしている時が、恋は一番楽しいっていう通説。
今作に登場する片思いは成就しないと心底ではわかってる。無論苦しさを持ちながら関係性を持つ。肉体関係も持っているが直接的な描写は少なく、精神的な繋がりのほうが重きを置いて繋がっていると暗示されていた。
相手に依存してしまう人もいる、誰にもいない時に頼ってもらいたいと願う人もいる。テルコが前者、仲原が後者。
仲原が愛を語るシークエンスはどちらも強い意志があり、共感する人は多いだろう。
救われた、と感じるひとも間違いなく多い。

一番好きなシーンは、仲原がスミレさんと衝突するところ。
周りから見たら、そんなの愛じゃないとか、愛するに値しない人とか言われることがある。でもそんな論理的なものでもないし、理性が働くものでもないし、普遍的価値観に基づいてるものでもない。他人に共感してほしいとかでもない。愛している相手にさえ伝わればいい。でも結局その人も自分以外の他者の内の1人でしかない。

映画内では、男女間の愛は呼応しない。
愛って勿論明確な定義は無いし、好きと愛の違いもわからない。
でも愛の呼応には、2人の考えがある程度合致しなくてはならない。本当に考えば考えるほど頭が痛くなる。

20代終盤になると、告白とか明確な契機がなくそういう関係になるほうが自然だ。みたいな台詞があった。
20代中盤になろうとしてる自分には一番印象的な台詞だった。
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