ミギーの左手

愛がなんだのミギーの左手のレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.7
男性ながらテルコに感情移入してしまった。

マモちゃんに一直線すぎる愛を向ける主人公テルコ。

冒頭から、電話が来てちょうど今から会社出るところ!
と言いながら自宅を出ていくようなこと、
身に覚えがある(笑)
好きな人からの電話って断りたくないからこうゆう小さな嘘、
ついちゃうんだよね。
私も会社でコーヒー飲みながら、待てちゃうタイプ。
仲原のように呼ばれていくようなところも共感なので、
テルコとマモちゃんはいい理解者同士だったんだよね。
最初の「幸せになりたいっすねぇ」までは。

彼女は嘘もエスカレートしていくわけですが、
なんだろう・・・嫌いになれない。
おそらく、テルコみたいな女性を
好きになったことがあるからなのかもしれない。
まっすぐ過ぎて不器用なのだけど、
“そうゆう風にしか生きられない状態”なんだと思う。

それじゃ良くないよってみんないうんだけど、
完全に“聞く耳がない”のよね。
葉子と二人のシーンでも
「あんたまじで変だよ」
って何回も言われていたけどその通り。(笑)

でもね、テルコがスゴいのは、
とにかくマモちゃんに対する反応があまりにも純粋すぎて。
呼ばれて笑うところや、動物園で泣くところ、
すみれさんが出てきて、ラップしちゃうところ、
普通、どんだけ夢中でも仕事辞めないし、
最後マモちゃんが部屋に来てうどん食べながら、
好きじゃないなんて言われた後に、
あんな返し方できない(あの機転が利かない)。
とにかくある意味で純粋すぎる彼女を私は嫌いじゃなかったです。

そして何よりいい(重い)のは、
そんな自分自身を客観的に見つめている自分もいて、
鏡に幼いころの自分が写って
「本当にそれでいいの?」
(好きな人といるために、他の男に身を寄せるの?)
と問いかけられて、
「いいの」と即答する。
銭湯のシーンやラップ終わりのシーンにもたびたび、
客観的に観た自分が少しづつ入っていながらも、
一貫してマモちゃんに向かう“愛”はもはや鳥肌を超えて恐怖。

一緒に入れればいいどころか、マモちゃんになりたい。
だから最後はああなったのかな。
でも・・・最後あのシーンは必要かな。(笑)

このテルコという役を見事に演じ切った、
岸井ゆきのという女優さん。
いままで認知していなかった自分が恥ずかしいのですが、
今後は要チェックしていきます。

マモちゃんや葉子・仲原くんの感想ものブログ載せてます!
お時間があれば見て下さい^^

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