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愛がなんだのなのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

私、テルちゃんだな〜ってずっと思ってて初めから心が痛かった。

好きな人に呼び出されたらどんな時間だって会いたいって思っちゃうし、好きな人の事を考えてる時って物事に手がつかなくて毛布に包まってうだうだ考えちゃうし、メールの返信だって心待ちにしちゃうし、どんなに馬鹿みたいな将来像を描いてたっていいな〜かわいいな〜って思って褒めてしまうと思う。

側からそんな様子を観てしまえばこんなにも滑稽なのかと笑えるけど、テルちゃんにとってはマモちゃんが世界の全てでマモちゃんの事を考えてる時は自分に限界なんてなくて、マモちゃんが側にいればなんだってできるしその他はどうでもよくなっちゃう。どれだけ自分が傷ついたって気がつかない。大好き!その感情だけでいいじゃん!生きていけるよ!って。どんだけバカに見えても本人にとっては笑い事じゃないから!まじで

マモちゃんがあからさまにめんどくさそうな顔をしたり、無理矢理追い返したり、整えた靴下をぐちゃぐちゃにしたりするシーン、山田さんって呼んでくるシーン、全てトーンが穏やかでまるで自分は「傷つけてる訳では無いですよ、僕は悪くないですよ」って言っている気がしてすごく卑怯で辛かった。嫌なら嫌って拒絶してよ。なんで少しだけ希望を持たせるような事して気を留めさせるの。クソみたいな男だな。っとずっと思ってしまった。

テルちゃんがそんなクソなマモちゃんに向ける好意が裏目裏目に出ていくとき、もうやめて、マモちゃんから向けられる目線に気づいて、辛いよ、早く離れなよそんな男。なんてずっと思ってたけどテルちゃんは離れられる訳がない事は私自身よく分かってた。恋は盲目って本当によく言ったもので、恋って理屈じゃないし、好きって気持ちって全部超えられちゃうんじゃない?って私自身も思ってしまうから

恋を真面目に合理性とかを考えてする人って正解だとは思うけどすげ〜〜〜〜つまんね〜〜〜〜!!!って思っちゃうもん、どうせなら大げさだけど白馬の王子さまが迎えに来てくれて〜〜とか、私にはこの人しかいないの!みたいな恋とかしたくなっちゃうし少女漫画大好きだし夢見ちゃうし。バカなので。

バカはバカの考えが理解できすぎてしまうので、テルちゃんに心を鷲掴みされてしまった訳で。私みたいな超恋愛体質バカは相当刺さってしまう作品だと思った。これを観た日(昨日なんだけど)の夜はベロベロに酔ってお家に帰れませんでした。ウケる

星野源とPUNPEEの最近出た歌で「あたりみりゃ一面のエキストラ/だけど君のその世界じゃ/僕も雇われたエキストラだっけ」って歌詞があるんだけど、テルちゃんにとってもマモちゃん以外はみんなエキストラで、マモちゃんにとってテルちゃんはエキストラの1人だったのかなって。

解釈違いかもだけど私自身この歌詞に重ねてしまうことがよくあって。届かね〜ってなっても、でも側にいれたらいいよ、エキストラでもって思ってしまって、どんなに周りから観たら虚しい関係性でも、その人の生活の端にちらっと移れれば幸せだと思えてしまうんだよな。相手の為って思って動いてても実は1番自分の為になってるな〜って錯覚しちゃうし。苦しいのに心地よくなっちゃう。バカなので。
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