よし

愛がなんだのよしのネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

…主人公のテルコがものすごく不快でした。
テルコみたいな何かに依存しないと生きていけない女性って私は嫌いです。
ただ、ラストは良いんじゃないでしょうか。
ちゃんと起承転結があって、登場人物の心の動きを想像すると面白い。
主人公の性格の不快さもこのラストのためにあって、良く出来てる作品だなと思います。

男に迎合してしまう女性というと、チェーホフの『可愛いひと』、古井由吉の『杳子』なんかもそうなんですが、一見して意志薄弱な女性でもその真は力強く美しい、という描き方をされていると思うのですが、『愛がなんだ』のテルコの描写は辛辣で容赦なくてとことん気持ち悪い。

ここには男性作家と女性作家の違いがあるのかもしれませんが、原作の角田光代はテルコをより現実味のある女性に落とし込んでいる。

その点で内面描写が面白い作品ではあるのですが、不快なシーンをずっと観続けさせられるのでもう一度観たいとは思わないです。

映画は現実世界じゃないんだからリアルな描写よりも夢を見たい派なので自分には合わなかった。この映画が評価されているのは分かります。
よし

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