スマトラトラ

銃のスマトラトラのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
3.6
モノクロの中に銃のシルバーの煌めきが際立っていてよい。
「中村文則の同じタイトルだな~。まだ読んでないし次なんか本買う時王国と銃買うかな~」とか思いながら観てた。そしたらその銃原作の映画だった(;^ω^)

中村文則の日常から何か逸脱した”物事”を経験したことで少しずつ崩れていく人間の様の描写が好きで、本はよく読むんだ。
これは原作読んでないけど、まさにそのタイプの映画。少しずつ崩れていく。でも、本人は変わってないし、逆にちょっとスリルが欲しいななんて思ってしまう。。。。もう、逸脱の沼に足を踏み入れていることに気付かずに。。。
掏摸とかよりは描写しやすいのかな?と思ったけど、主人公よかったなぁ。あと、こういう時のリリーフランキー、警察なのに恐れを抱くような演技流石。 リリーフランキーとピエール瀧はこういう所で出てきて、物語をぐっと締めたり広げたり光らせたりが凄くいいなぁと思うのよね。悪役から警官までなんでもござれ。

最後の色づき、虚構や妄想から現実を見せに転換する所はよかったな。ああいうの好みなのよね。モノクロの中に何かだけ目立たせるとか、色を付けるとか。 スウィニー・トッドとかね。血の赤が綺麗。
原作何時読もうかな~。