ノラネコの呑んで観るシネマ

銃のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
4.1
ある日拳銃を拾っちゃった、村上虹郎演じる大学生の物語。
銃を使って何かやると言うより、自分を何倍も強くする銃があることによって、精神的に変化してゆく心理劇。
特にこの主人公、幼少期の体験から潜在的トラウマを抱えているので相当に危なっかしい。
最初はただ持って磨いているだけだが、次に見つかるリスクをおかして持ち歩くスリルに取り憑かれ、ついに動物に銃を向ける。
昔米国に住んでた時は、うちも一丁持ってたことがあるから「銃一つでそんなに・・」と思わないでもないが、触れたことのある人すら殆どいない日本では、ある意味究極の非日常なアイテムなんだろう。
しかし銃を持つことで感じる異様な高揚は、リリー・フランキー演じる不気味な刑事の登場をきっかけに、過去のトラウマと絡んだ歪んだ形で主人公の心を追い込んでゆく。
ワンアイデアをうまく生かした、心理サスペンスの佳作。
ラストの解釈も人によって異なりそう。
カラーの意味とかね。
個人的経験から言うと、あの手の短い銃はよほど練習しないと、素人が撃ってもまず当たらない。