SIRMA

銃のSIRMAのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
4.2
まずノワール表現でビックリ。
本作のファムファタルはタイトルにもある「銃」

展開がイマイチ浅いというか淡々としているけれど、それが鬱屈とした作風と見事にマッチング。

中村文則あるあるの施設育ちで心に歪みを抱えた主人公。銃で性欲と自我がヒャッハー。

彼を演じた村上虹郎のモノローグは正直聞き取りにくい。けれども、不思議なことに、このアンニュイかつシニカルで情緒不安定な危うい演技を自然に出来るのは彼しかいないような気がした。タバコ吸いすぎだけど

なんと言ってもリリーフランキーとの心理戦。これ以降、彼の暴走は加速するんですよね

コーヒーハウス・フジでの広瀬アリスとのやり取り後の奇行は本作で最も面白かった。次観る時もこのシーンは繰り返し観ると思う

その他、魅力を感じた点
・イキリ大学生を演じた岡山天音の演技力
・腕を引き千切られたザリガニの不気味さ
・HOPEを愛煙するリリーフランキー
・意外に肩幅が広い広瀬アリス
・日南響子の裸体
・日南響子の裸体


村上淳のカメオは冷める人も多いように思うけれど、迷惑なオッサンの演技上手すぎて気にならなかった。
ともあれエピローグの展開とエンドクレジットは鳥肌モノ


画面が色彩を取り戻し「生」を感じるのは、皮肉な事にまともな理性を失った後でした
SIRMA

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