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アダムス・ファミリーのsomaddesignのレビュー・感想・評価

アダムス・ファミリー(2019年製作の映画)
5.0
序盤の畳み掛けるようなテンポ感がピーク

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人里離れた山奥で結婚式を挙げたゴメズとモーティシアは村人たちに故郷を追われ、不毛の土地・ニュージャージーに流れ着く。時は流れ、夫婦は長女ウエンズデーと長男パグズリー、執事ラーチとともに平穏な日々を過ごしていた。そんな中、パグズリーが一族にとって重要な儀式である「セイバー・マズルカ」を親戚たちの前で披露する日が近づいてきて……。

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封切りから1ヶ月以上経過して、ギリギリ間に合った! 当然吹替版しか見れなかったけど、超楽しかった‼︎
特にモーティシア役の杏のハマりっぷりがすごい! ゴメスとのラブラブっぷりを見るにつけ「アフレコの時はまだラブラブだったのかなあ?」とかゲスい妄想できて味わい深い。

生瀬勝久のゴメズも、どことなく顔かたちが本人に似てて楽しい。独善的な家父長ってより、慈愛に満ちた家族思いのパパっぷりが滲み出ててる。徹底した紳士だし、実写映画版よりずっと他人に迷惑をかけない、気配りの人にアップデートしてるのも好感度高い。

二階堂ふみのウェンズデーも平板な発音で、陰鬱とした感情の起伏のない不気味少女を好演。どこをどう聞いても二階堂ふみの声にしか聞こえないのは評価が分かれそう。

本職の声優さん以外がアフレコすることに反対する機運もあるけど、今作に関しては概ねハマってて良かった)マーゴ役LiLiCoがちょっと単純化されすぎてる以外は)。
個人的にスヌープ・ドッグと大塚明夫大先生の豪華な無駄遣いが一番の面白かった。

「ソーセージ・パーティ」のコンラッド・ヴァーノンとグレッグ・ティアナン監督コンビ。不謹慎と不道徳の笑いに関しては「ソーセージ・パーティ」の前科がある分、フルスイングでアダムスファミリーの世界を嬉々として描いて見せてる。どうかしてるギャグセンスと、モーティシアとマーゴを鏡像関係にしてみせる周到さ。
ウェンズデーとパーカーを縛るものが同じことの裏表だったり、パグズリーのボンクラ解決法が新時代的にアップデートされてて驚いた。

不謹慎な笑いの奥に親子の葛藤や、普通ってナンダ?と問いかけが潜ませてあるのもステキで、多様性や自分らしさについての物語でもある。


文句があるとすれば、エンドロールの歌詞に字幕がつくのはいいけど、もう少し位置を考えて欲しい。そもそも日本語訳詞なんだから、字幕いらない。字幕でウェンズデーとパグズリーが見えなくなっちゃった。

英語版のオスカー・アイザック、シャーリーズ・セロン、クロエ・G・モレッツら豪華声優陣版はソフト化か配信始まるまで気長に待つかー。


61本目
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