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ランボー ラスト・ブラッドのtagomagoのレビュー・感想・評価

4.0
人間はそう簡単には変わらない。ということを教えられたような気がします。最後ランボーが何か言ってましたがそれが耳に入ってこないぐらいクライマックスへとなだれ込むまで唖然としてしまいました。復讐の連鎖を避けるためには赦しが必要とは言いますが敵の鬼の所業を見ている限りこれを赦して前に進むべきなのかと疑問に思いますし劇中のランボーのように復讐に駆られる姿にこれはしょうがないと思ってしまう次第です。復讐の連鎖を断ち切る系の重めな映画を一刀両断してしまいそうな力強さがスタローンにはありました。加えて哀愁も味方にしてます。
人間は変われる。そう信じて父親のもとに向かったガブリエラは誘拐され、それを助けに行ったランボーも一旦は穏便に話し合いで解決しようとした行動も無に期してしまう。良いもんサイドが良心を信じて行動した結果が最悪の結末へと転がり続ける展開は見てて痛々しかった。正当性の担保のためにはある程度は敵の鬼畜さも必要でしょうが、ランボーの怒りを溜めるためにここまでやるのは疑問の残るところではあります。一方でメキシコカルテルの残酷さはこれ以上のものがあるのも事実ではありますが。

クライマックスの残虐極まりない処刑シーンの数々は壮絶そのもの。事前にトラップを仕掛け銃器をトンネル内に隠しておき周到かつ的確に撃つ。その準備から堪らないものがありホームアローンのR指定版というか参りましたという感じです。そして怒りのオーバーキル。ランボーは何も変わってない、蓋をしてるだけというセリフがありますがホントにその通りで通底してるのは殺人マシンということ。それが悲しくもあります。しかし、前作と比べるまでもないほどよく喋っておりこれはランボーじゃなくロッキーではと思ってしまうほど人間性は取り戻しているようには思うんですけどね。また今回の件で壊されたかもしれませんが。

敵がただのジジイだみたいに言う場面がクライマックスに入ってからあるけどお前の弟どうなったか忘れたのか?ただの強がりなら分かるがそれはどうにも話が通じねえとは思いましたよ。
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