くわまんG

ランボー ラスト・ブラッドのくわまんGのレビュー・感想・評価

4.0
どうやって悲しみを忘れろと言うんだ?どうやって怒りを鎮めろと?蓋をし続けるしかないんだ。俺は……俺は復讐したい!

みどころ:
胸がすく怒濤のオーバーキル
超暴力的ホームアローン
いつもの脇甘駆け足展開
何と逆戻りしたランボー
終わるとは言ってないランボー

あらすじ:
やっと身も心も帰郷したランボー。半世紀ぶりの家族と平穏。
だが平和は長続きしなかった。なぜならこの世は基本悪意と損得。
温もりを奪われて男は思い出した。怒りと悲しみと皆殺しの記憶を……。

前作で、遂に生き甲斐を見出だしたランボー。あれから11年。激難ボランティアに精を出しながら家庭を持ち、トラウマと闘いながらも幸せな余生を送っているランボー。それはまさに、我々が心底願った、報われたランボー。

なのにランボーは、怒りのランボーに戻ってしまいました。この上ないほど過酷とはいえ、運命を受け入れることができず、再び怒りに飲まれてしまいました。憎しみが憎しみを呼ばぬよう根絶やしにはしたけれど、悪意などそこらじゅうに湧いているので、このまま進めば地獄到着は免れないでしょう。エンドロールまでは間違いなくバッドエンドで、正直鑑賞直後は悲しい気持ちでいっぱいでしたよ。

1で弱者の代弁者となったランボーは、2以降で私利私欲しか頭にない権力者のブタどもを皆殺しにし、日々不当な圧力に曝されている観客の溜飲を下げ続けてきました。変化を受け入れるド根性聖人ロッキーなんかより、大衆の怒りや悲しみに寄り添ったランボーは、実は遥かに共感を得やすい人物。そんな男だからこそ、ハッピーエンドを迎えて、観客を良く導いてほしかったんですよねぇ…。

…いや待てよ。もしかすると「諦めずに立ち上がり続けろ」と語り続けてきたスタローンが、これだけ語っても未だ世の中がクソなので、あえて発破をかけたのか?

…いやいやいやいや待て待て!ランボーはまだ死んでねえ!落ち着け俺!「なぜ俺じゃないんだ…」と嗚咽しながらも、自害せずにまた歩み始めたんだからな!?…よしよし、だから次がビヨンドザラストブラッドで、締めがジエンドオブザブラッドってことか。オッケーオッケー。今回ハチマキも巻いてなかったし、生きざまは死にざまだし、まだ全然終わりじゃなかったわ♪