るるびっち

ランボー ラスト・ブラッドのるるびっちのレビュー・感想・評価

3.2
丸で残虐なホーム・アローン。
マコーレー・カルキンが殺人鬼に成長して、ワザと強盗をおびき寄せて家中に殺人トラップを仕掛けたらきっとこうなる。
むしろそんな『ホーム・アローン・ラスト・ブラッド』を観たい!

今までは軍隊(プロの殺戮集団)を殲滅していたランボーが、売春組織という素人のチンピラではしょぼすぎる。
しかもそれに手間取るなんて、老いたとはいえ全然ランボーじゃない。乱暴ではなく辛抱だ。牙を抜かれた狼ではなく、歯槽膿漏のポチだ。

しかも素人相手に殺人トラップ仕掛けの待ち伏せ。チンピラに勝ち目なく、全然ハラハラしない。殺し方が残酷なのが唯一の見所。
そうではなく、敵が追い詰めたと喜んだらそれこそがランボーの罠だったり、異質な闘い方で全滅させる所が面白かったのではないか。別に残酷を期待してる訳ではない。これでは弱い者イジメの殺人狂である。そんな事はマコーレー・カルキンに任せとけ。

ハンディを付けた方がいい。
車椅子状態ならハラハラする。それでもチンピラ集団位は殲滅できるだろう。車椅子無しのほふく前進でも倒せる。それが乱暴いやランボーだ。
チンピラに囲まれ、ボコられる時点でワザとじゃなければオカシイ。
リンチされ瀕死のフリをして、調子づいたチンピラが探している娘の前で処刑してやろうと彼女を連れてくる。それこそランボーの狙いで、娘が確保できれば処刑されるのはチンピラの方である。
集団で囲んで撃っても、彼らを人間盾にして撃つほど仲間が死ぬとか。
逃げる時も屋上からチンピラごと飛び降りて、チンピラ・エアバックとして活用。下敷きの奴は背骨が砕けランボーは無傷とか。相手にするほど、常軌を逸した闘い方に相手が戦慄するのがランボーの醍醐味だと思う。
チンピラが泣きながら後悔する様が見たいのだ。相手の頭がおかしすぎると・・・
でも、今回は辛抱です。歯槽膿漏です。

改案。
チンピラ全滅は最初の10分で終了して、それでも助け出す女の子が見つからず、実はチンピラ組織に政府高官が絡んでいて北朝鮮に彼女は送られていた。妨害するCIAの支部を破壊し、北朝鮮に密入国して総書記の愛人にさせられる彼女を救い出し、ついでに(あくまでついで)北朝鮮を壊滅。総書記は爆死。
苦し紛れに発射したテポドンを弓だけで撃ち落とす。
北朝鮮が一人の男に壊滅させられても、北はそれを外部に漏らさないので、ランボーの最後の活躍は闇に葬られたまま。
ランボーってそういうもんやから、ほなランボーちがうかぁ。
オトンが言うには、マンボウやろうって・・・そんな感じ。

前作の最後では言葉に出来ない悲しみや渦巻く矛盾があり、表情だけでランボーとヒロインは複雑な感情とやるせなさを表していた。
今回はダラダラとランボーのナレーションで終わる。
無口なハズの彼が長広舌。
言葉にまとめられる程度のものなど底が浅いのだ。
言葉に出来ないことをアクションで描き、言葉にならない思いを表情で演じる。それが映画だと思う。
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