シマすけ

ランボー ラスト・ブラッドのシマすけのレビュー・感想・評価

4.0
HOME stALLONE


故郷のアリゾナ州に戻ったランボーは、過去を引きずりつつも念願の静かな日常を送っていた。すっかり年老いた彼にはガブリエルという大事な姪がいたのだが、彼女がメキシコの麻薬カルテルに拉致されランボーは救出に乗り出す。


「思い出を守り続けるため、俺は戦う」

ランボーシリーズ最終作であり、今までの集大成を思わせる作品でした。

思えばランボーシリーズでは一貫して時事問題を扱っており(1と2 : ベトナム戦争、3 : アフガン問題、4 : ミャンマー内戦)、今回は凶悪さで悪名高いメキシコ麻薬カルテル。
今までは良くも悪くも戦争のメッセージ性が強かったので、今回それが薄れているのが残念。
時間の流れも残酷で、ムキムキ超人だったランボーが年老いて錠剤を手放せなくなり、マフィアにボコボコにされるのはやっぱり見ていて悲しい。
今までのような大暴れが見れないのも切ない。

しかし老いても彼の目力は衰えておらず、大柄な肉体から発せられるオーラは全盛期以上の圧力。あれだけ巨大な老兵に壁ドンやナイフドンされたらチビる。
そんなランボーの今回の戦法は、相手を罠に引きずり込んで血祭りにあげる作戦。長年の経験と知恵の集大成で敵を歓迎します。

これがま〜エグい。
人体破壊は前作ほどでは無いのですが、とにかく痛々しい。
アジトの一味を手当たり次第惨殺して、ボスの弟を芸術作品に仕立て上げ挑発。
そして我が家におびき寄せたマフィアにガソリンかぶせて火炙りにしたり、棘だらけの穴に落としてスネを貫通させた後にハチの巣にして楽にしてやるという、優しいのか残虐なのかよく分からないやり方で静かに怒りを燃やしていくランボー。
全体的に刃物トラップが多く、まさに殺意100%のホーム・アローン。
ちなみに4DX版では敵側の体験ができるらしいです(白目)。


メッセージ性が少し減り暴力描写だけがマシマシになって微妙な所はあるものの、大事な場面で弓矢が活躍して無線芸が復活したのは嬉しい。エンディングでは彼の今までの活躍がダイジェスト的に流れ、それだけでシリーズを追いかけて良かったと思わせてくれました。
今までの積み重ねがまさに今回のランボーといった形であり、彼の戦いはこれで終わったはず。
果たして彼に真の安らぎは訪れるのだろうか…


「これが俺の痛みだ!」
シマすけ

シマすけ