10円様

ランボー ラスト・ブラッドの10円様のレビュー・感想・評価

3.6

【スタローンの終活】

蛇足的な位置付けでしょ?って最初は思ってたのですが、あれ?これ、良いやつだ…

ベトナム帰還兵が理不尽な迫害から静かに戦い続ける「無印ランボー」つまり「ファーストブラッド」では時代を象徴するメッセージ性があり、映画史の一つとして存在し、そこからゴリゴリのアクションになり「ランボーってこんなエンタメなの?」ってなるほど言わば迷走してしまった可哀想な作品になりました。当時のスタローンのシリーズものは大体こんな感じです。

しかし往年になり再評価され、最近出演する作品群は、スタローンの終活のようにも思えますね。一時代を築いたエンターテイナーのやり残した事。なんか悲しいですね😢
「ファーストブラッド」では自分ため、仲間のために戦ったランボーは今作では娘のために戦います。完全な私怨です。でもそこが良い。老兵が最後に選んだ戦場は、愛するものへの弔い。昔から変わっていないのです。
なので2.3.4の続編群と比べるとコンパクト感が否めないなって印象なのですが、そもそもランボーをあんなに壮大な映画にするかって話で、原点回帰的なものになっています。

特徴としては「ファーストブラッド」同様にドラマパートに重きを置いていて、無双シーンまでがやたら長いんですよね。でもその意図的なタメが映画を良い方向に運んでいます。
娘の死が復讐心を駆り立てるまで70分。最後の30分で罠を張り巡らし、悪人を次々と殺戮します。殺し方はエグいです。しかしさすが元傭兵てす。止めはしっかりさします。

もう悪人集団が観ていて可哀想になった😢良いところ一つも無いんだもん。たまたま撃った流れ弾がランボーに命中。ランボーも「年齢的には勝てんなあ」って感じで哀愁すらも漂うんですが、手負いの動きじゃない!悪党どもよ逃げなさい!って相手を応援していましたよ。

なので「ファーストブラッド」の正真正銘の続編はこれしかないっ!あとは全部、外伝的位置付けです。

あるレビュアーさんが拐われた娘(推定23〜25)って…えっ?年齢的に孫でしょ?と驚いていて、私もそうだと思ったのですが、スタローンの実生活の娘さんは、大体こんな年齢でした。三姉妹、みんな美人です!父の遺伝子は〜?
ちなみに新文芸坐では「深海47メートル」の続編を一緒に観て、そちらには氏の次女であるシスティーナスタローンがメインで出ています。

「うーん、似てない…良かったっちゃ良かった」

これからご覧になる方々、1を観て2.3.4は置いといて今作を鑑賞なさるのが良いかと思います。そのあとに2.3.4ねっ!
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