さぴお

闇動画7のさぴおのレビュー・感想・評価

闇動画7(2013年製作の映画)
4.3
児玉監督の珠玉POVホラー第7弾。

【非在の視線と不在の視線】
何故か宅配の人物を固定カメラで写した映像。
家の住人は一切写らず、声のみで「そこにハンコあるので適当に押してってください」とアナウンス。
これだけで非日常を醸していてうすら寒い怖さを感じますね。
タイトルは意味が分かりません。最近、こんなタイトルが増えておりますが、中二病を患ったのでしょうか。

【赤い乗客】
電車内の映像です。短編ながらも映像自体の怪異と映像解析により判明した怪異。2段仕掛けの2段熟カレーです。

【超越と俗悪の関係】
夕方のニュース特集にありそうな「万引きGメン特集」。
そのお蔵になった映像。1人目や2人目は怪異ではなく普通の万引き犯。
逆上、怒鳴り、陳謝。この手のお馴染みの流れを楽しんでいると現れる不気味な女。
女は終始無言でカバンを開けるとその中には包丁が………
さらに、この女が空中に指で何やら文字を切る…そうすると…

この空中文字切りは心霊トリプルXの9か10ああたりでもありましたが、
呪術を連想させる行動としていいですね。
ラストはほん呪が40~くらいから好んで使い始める、映像にノイズが走って場面転換。この手の演出が好きなので本作で一番響きました。
犯罪のフェイクドキュメンタリーという題材が好きなのもあってお気に入りです。

【盗視者】
「あのさぁ…」とため息が漏れる「あのさぁ…案件」
やってくれたな!!と上島竜兵になってしまいました。
ただ、ホラー映像にあどけなき赤ちゃんなどが被写体にいると対比を感じられてグッドです。

【魔の領域】
心霊番組の心霊スポット探訪もの。
一言でいうと「洒落怖」の映像化。
そんな雰囲気がある作品でしたね…。

ホラーの仕掛けがどんどんとヒートアップ。
特に途中でディレクターの指示で、女性レポーター一人を古い社に向かわせるが、
よく考えると誰もカメラも持たず、撮影になっていない というのがゾクりと来ましたねぇ。
この頃にはとっくに、この世のものではない何者かに捉われていたとでも言うのだろうか…。

そして、ラストも胸にざわつき覚えますね、
投稿者の「その後も彼らが人間ではない何かではないのかと疑心暗鬼にさせられました」という言葉が非常に良いです。
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