罪状はめちゃくちゃ重いけど、重点をそこではなく、主人公カルリートスの「空っぽ」な部分を良いとも悪いとも演出せずに、そのまま描いていてとても魅力的だった。
自分が犯罪をしてることは分かっていて、でもカルリートスには罪悪感という感覚が存在していない。
学校に通うように他人の家や店に入り、欲しいものを取ってくる。
見つからないように、とか、捕まらないように、という考えすらない。
捕まることも、罰せられることも、怖いと思っていない。
自分に自信があるとか、そういうことではなく、単純に「恐怖が分からない」ように私には見えた。
だから、見つからないうちに撤収しようとするラモンがまともに見える。
彼の中で、ラモンが唯一の自分の理解者みたいな感情があったのかもしれない。
だからこそ、自分が相棒ではなくなってしまった事実が、自分の中で上手く処理できず、その自分の感情が何なのかすら、よく分かってない。分かってないまま車を走らせて、苛立ちをアクセルに込め…と勝手に解釈しました。
皆さんも書いてますが、最初と最後のダンスがとても印象的。
人を殺す前も、殺してからも、彼は何も変わっていない。