トランスマスター

永遠に僕のもののトランスマスターのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
4.5
#18 世間は泥棒と芸術家のものだ

実話ベース。
ジャケットからBL系のオシャレ映画だと思ったら大間違い。
70'sのアルゼンチン→ブエノスアイレスが舞台。
中流家庭の元で育った17歳の美少年ソシオパスが主人公。
住居侵入や盗みに関しても自分の物と他人の物の境界線がないほど困った性質を持つ。少年院出所後に転校した職業訓練校で一家が泥棒の同級生ラモンと共同で窃盗稼業にいそしむ。そこでちょっとしたトラブルで人を殺めてしまってからは、拳銃の引き金を何のためらいもなく引ける殺人者となってしまう。
自身の自由を実現するため無茶を繰り返した少年の半生を描くクライムムービーです。

◆良い点/注目ポイント
・70’sファッションと音楽がうまくマッチしています。また双子の彼女とのタンデムツーリングでのゴールデン・B・スクイーズは是非日本でも流行して欲しい秘儀です。
・ラモンが留置場で知り合ったミゲルの「泥棒は銃弾に倒れるのが最高の死に様だ」という自分の父親を賛美したセリフがかっこいいです。また飲み屋で西成の酔っ払いおやじが「ワインをおごれ」と絡んできたときのかわし方もスマートでした。

◆改善点
・なし。

◆総括
・何物にも動じない胆力、魅力的な外見的特徴、大胆な行動力。
諜報員のような存在なのに残酷さを一切感じさせないベビーフェイスは
まさに【EL ANGEL】
ラストのダンスシーンの周囲を包囲する”グラセフ”最高レベルの★の数には一本取られました。

-2021年 18本目-