凛

永遠に僕のものの凛のレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
4.2
アルゼンチンで実際にいた「黒い天使」あるいは「死の天使」と呼ばれた連続殺人犯がモデル。

1971年ブレノスアイレス。
美しい顔をしたカルリートス(ロレンソ・フェロ)は息を吐くように盗みを繰り返す。両親もそれに気付いているが黙認している。学校で知り合ったラモンの野生的な魅力に惹かれて気を引く為に喧嘩を吹っかける。ラモンもカルリートスの美しい容姿と犯罪を繰り返すギャップに魅せられる。。

カルリートスが普通に盗み邪魔をする人間をなんの躊躇もなく殺す姿に血生臭さはなく、彼の自由な生き方、生まれながらの堕天使。
カルリートスとラモンの友情以上の気持ち、愛情と嫉妬の末に取った行動も恐ろしいが本能で生きている。
残虐な内容なのに流れるように犯罪を重ねるカルリートスを憎く思えないのは、ロレンソ・フェロの類いまれなる美貌にもよる。
『ベニスに死す』のタジオのような美少年とも言われ、これからも楽しみ。
冒頭とラストで踊る姿は自然で伝説の犯罪者の底なしの怖さを感じさせる。
凛