金子

永遠に僕のものの金子のレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
3.5
公開前から色々なメディアで取り上げられていて、題材もナカナカに面白そうだったので観ることにしました。
観た感想は
「これは賛否両論ある作品だろうなー」
でした。
自分としては賛と否は半分半分というのが正直な感想。

物語の進行の仕方は抜群に良かった。
主人公の心境が物凄く伝わってくる映像の作り方をされていて、
視線や仕草によって、心境などが直接的な表現ではないのにそれが現実味を帯びて伝わってくる描き方は非常に好感を持てた。
1970年代の価値観を匂わせつつ、
現代ではこうではない!という否定も織り交ぜていたのは興味深く思えたし、
一つの出来事を取り出してみても考えさせる要素が沢山で楽しかったです。
想像を膨らませながら映画を観る気質の方には非常に面白い映画だと思う。

否の部分としては、日本における邦題のセンスのなさ。
原題は「AN ANGEL」なのに、邦題は「永遠に僕のもの」という言葉の意味のかけ離れ方に違和感を持たずには居られなかった。
葛藤したのは凄くよく分かるんです。
原題だと、この事件や主人公自身を賛美しているという意味合いが強くなってしまって、批判が起こる事が想定される為に、
別の題にした方がいいと判断したことも分からなくはない。
ただ、「永遠に僕のもの」だと作品の中身との誤差が凄いんです。
この言葉だと内容の20%も表せていないのではないでしょうか?
その視点で観てしまうと一気につまらない映画になってしまう。
それでも観に来るような人間にしか理解することは難しいという判断からであったならば素晴らしいネーミングであったが、
明らかにこれは失敗だっただろうと思う。
現代の流行も踏まえての事なのだろうが、
それはまた別のお話!
としか言えないよ?
金子

金子