Flynn

永遠に僕のもののFlynnのネタバレレビュー・内容・結末

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

少しだけ下の方にネタバレ含みます。


観終わった後、寂しくなって
久しぶりに大声あげて泣いてしまった。
想像してたよりも孤独で儚い。

ロレンソ・フェロくんが美しいのと、
『死の天使』と呼ばれた殺人鬼の実話を
基にした作品ということで、
ずっと観たかった映画。

ぜひこの映画を観る人は、
実際のカルリートス(カルロス)を見てほしい。
実話を基にした映画は美化されがちだけれど、
この作品に至っては実際のカルリートスも
かなりの美少年。
逆をとるとカルリートスが
''美少年ではなかったら''
ここまで大きく取り上げられることが
なかったと思うと、結局容姿によって
周りから与えられるイメージが
変わるということなのか。

そして、私がこの映画に惹かれた理由の2つ目。
ポスターの美しさとタイトルの印象強さ。
ほとんど洋画しか観ない私からすると、
珍しく日本版のポスターとタイトルが良かった。
原題の〈El Ángel〉と検索すると、
日本版と同じポスターを含めて
主に3種類が出てくるが
わたし的には日本版と同じポスターが好き。
儚さ、孤独さ、いつも身につけている銃と
印象によく残っているタバコ。
そして原題では、
美しい容姿にスポットを当てた
〈El Ángel (天使)〉。
日本版では、ほしいものは
全て手に入れたい独占欲の意味を込めた
〈永遠に僕のもの〉。
作品を観るまでは、
あまりピンとこなかったが
じわじわとその意味を知らされた。
目つきで演技をしていた。
キスをするだとか、
愛していると言葉を交わすわけではない。
ただ、誰にも取られたくなっただけ。
嫉妬。
他の人と海外に行くと
人づてに聞いて不安に思ったのか、
わざと彼を乗せた車で事故を起こす。
この気持ちをわかってしまうのも辛い。
他人に取られるくらいなら、
殺してしまって永遠に僕のものにしてしまおう。
タイトルが指していたのは
''もの''ではなかった。日本語の使い方が上手。


そして、着ている服がシンプルで
端麗な顔立ちが引き立っていた。
白のトップスに黒のレザージャケット。
決してネックレスなどはつけずに。
タートルネックも着こなしていて
まさにモデルのようだった。


一見して普通に見えるけれど、
サイコパスな一面が気づかないくらい
ナチュラルに仕込まれてた。
宝石店に忍び込んで窃盗をして、
人を銃殺したら、
あなたはその日の夜寝れるだろうか。
きっと鼓動は煩く響きわたり、
罪悪感、不安感に苛まれ眠れないだろう。
ましては、窃盗した絵画の下で。


もしも自分の愛する一人息子が
殺人鬼だったら?
盗むことに''生きる''ことを実感していたら。
子どもを産んだことを後悔しないだろうか。
わたしはとても怖くなった。



まとまりの無い長文になってしまったけど、
この作品を絶対に忘れない。
Flynn

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