Koshii

THE GUILTY/ギルティのKoshiiのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.8
いやぁ、こういう映画はなんだか閉塞感があってドキドキしちゃって最後までどうなるか分からずに見入ってしまいますよね!

この作品はリミットやフォーンブースの様に場面がほぼ変わらずにシナリオが展開されていきます。小出しにされる伏線と謎。それぞれが一つの真相に向かい紡がれてく感覚。このジャンルの映画ならではの魅力ですね。

あらすじは、ほとんどネタバレになりますので最初の導入部分だけ、ざっと書かせて頂きます。緊急ダイヤルの電話番を務めるアスガーはある不可解な一本の電話を受け取る。どうやらその電話の相手は事件に巻き込まれているようで、電話でのやりとりでアスガーは救出を試みようとするが、、




以下、ネタバレや感想を含みます。












はっきり言うとこの作品は好みが分かれるだろう。
88分という短い映画だが、前述した通り場面は緊急ダイヤル室しか映らない。さらにアスガーの心理描写を描くためにも、緊迫した「間」を効果的に取り入れている。その何もない時間を効果的に取り入れているからこそ、まるで自分自身がアスガーになったかの様に感じられる。そのため、ストーリーはアスガーのペースで展開されていき、視覚的な展開がほぼないために、退屈と感じる方もあるだろう。ただ安心して欲しいのは、場面が変わらずとも電話の着信ランプの使い方や、アスガーの電話の取り方一つとしてみても、ばっちり場面転換がなされていることが見事で、集中力が切れないような工夫も随所に見受けられる。これには、アスガー役演じるヤコブ・セーダーグレンの演技の素晴らしさも一役買っていると言えるだろう。

電話のメッセージ、話し方、緊急ダイヤル室のアイテムを丁寧に描写することでその場に居るようなリアリティが感じられ、事件の真相に自らが迫っていくような体験が出来るのはこの映画の大きな魅力だろう。

是非とも、ご自身がアスガーとなり、ご自身の目でこの事件の真相に近づいていってみて欲しい。
Koshii

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