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パピヨンのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

パピヨン(2017年製作の映画)
3.7

ずーっと気になっていて先送りしていた作品。
S・マックィーンの“本家”は未鑑賞でこちらを先に観てみる。
実話ってマジすか?の壮絶さ。

重犯罪者を収容する脱獄困難な徒刑場に、無関係の罪で収容されてしまった金庫破りの名手、通称“パピヨン”の絶望と執念と友情と希望と愛の話。

こんなにもしんどい作品とは思っていなかったので、観賞後の虚脱感がヤバい。
“ショーシャンクの空に”のような気の遠くなるような脱獄ストーリーという部分では酷似しているものの、事実に基づいていることもあるが故だろうが、こちらは更に劣悪で絶望感に満ちている。
その中で描かれるギリッギリの絶望的精神状態の中で探る希望や、成り行き的な信用、筋書き通りの裏切り、依存という名のもとの友情、そして何よりも“漢としての選択”が絶妙なバランスと心情変化で描かれている。
決して脱獄エンターテインメント系の作品とは言い難いが、徒刑場の絶望感や劣悪感は、観る者の“平穏”に否応なしに見せしめの刃(やいば)を突き刺してくる。


ただ、ボヘミアン・ラプソディの印象が強すぎて、ドガ(ラミ・マレック)を見る度にクィーンの曲が頭の中で流れて来てしまったので若干集中出来なかったっていうオチが悲しい、、、

尚更、ダスティン・ホフマンのドガ、そしてスティーブ・マックィーンのパピヨンを観てみたくなる。
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