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パピヨンのQIのレビュー・感想・評価

パピヨン(2017年製作の映画)
3.8
マイ・ベスト・アクターのスティーブ・マックイーン、そしてダスティン・ホフマンというビッグスターの共演という超話題作として1974年に公開された作品のリメイク。

ジェリー・ゴールド・スミスの素晴らしい音楽と共に、そのラストシーンのカタルシスを味わいたくリバイバル公開も含め何度も映画館に通ったものです。

マックイーンはこの作品の前にも『大脱走』『ネバダ・スミス』で刑務所から、『華麗なる賭け』『ゲッタウェイ』では強盗に成功し他国へというように、『逃げる』ということでそのイメージとスター性を確立していったとも言えます。

そしてこの映画でも彼の恐ろしいまでの脱獄への執念に焦点があてられ、それをより際立たせるダスティン・ホフマンの演技が作品を素晴らしいものにしていました。

ということで今回の作品について・・・

素晴らしかったです❗

もともとこの作品の原作は主人公がその生涯を書き留めた回顧録が元になっていて、今回の作品でも、彼が流刑地に送られた理由から脱獄に成功した後、この回顧録の出版に至るまでが描かれています。

つまり、なぜ彼がそこまで脱獄に執念を燃やしたかも含めた主人公の生涯を描くという旧作品とは違ったアプローチがされていて単なるリメイクにはなっていません。

そして今回の作品で特筆すべきは、パピヨンを演じるチャーリー・ハナムの存在です。
その肉体的表現に加え、冷静さを持ちながらも凄みを感じさせる演技で、マックイーンとはまた違ったパピヨン像を見事に作り上げました。

加えてラミ・マレックがハナムの役作りに合わせ、これもまたダスティン・ホフマンとは違ったドガを演じることに成功しています。

この二人の存在が、今回の作品を決して旧作品と比較する余地を与えない新しい『パピヨン』を作り上げることを可能にしたのだと思います。

旧作品のことは気にせず新たな『ハナムパピヨン』を見に行かれることをオススメします❗

p.s.
それにしても観客の年齢層が異常に高かったことが気がかりです。
『前の作品と比べたら・・・』とか『マックイーンと比べたら・・・』という見方にならなければよいのですが😢

と言いながら自分もハナムの顔が一瞬、マックイーンに見える瞬間がありました😅
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