アロー

パピヨンのアローのレビュー・感想・評価

パピヨン(2017年製作の映画)
4.0
主人公・パピヨンが独房で過ごした長い時間が、チャーリー・ハナムの肉体で如実に表現されている。独房を出たときのパピヨンが痛々しいほど老けこんでいるのがショッキングだった。

とにかくパピヨンの諦めない心に胸を打たれる。パンフレットに載っていた実際のパピヨン(アンリ・シャリエール)の年表を読んでみたら、この映画で描かれた回数をはるかに超える脱獄を試みていたと知って驚いた。映画の中だけでもツラいシーンが多いのに、実際のパピヨンのほうがハードな人生を送っていることに愕然としてしまう。これほどの不屈の心を持った人が現実にいたなんて…。

チャーリー・ハナムのパピヨンはカッコよかったけど、対するラミ・マレック演じるドガは超キュート!パピヨンに守られてるのがかわいくてキュンとくる。『ボヘミアン・ラプソディ』(未見)のヒゲのイメージが強かったんだけど、こういう繊細でインテリな男性も似合うんだね。

暗い映画だけど、その中に見える諦めない心がまぶしいお話だった。強く生きよう、と思わせてくれる。




以下ネタバレ














パピヨンが、最後の流刑地・悪魔島から海を見つめるシーンが印象的。パピヨンの目の前に広がる海に、太陽の光が一本の道のように反射していて美しかった。パピヨンの揺るがない決心がくっきり表されていて、すごく好きなシーン。

そしてパピヨンとドガの絆が美しかったぶん、2人が別れてしまうのが寂しい。『ショーシャンクの空に』でも言われてたように、ドガは「刑務所慣れ」してしまったのかな…。その後のドガは謎のまま、パピヨンと再会せず幕が閉じるのが切ない。
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