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CLIMAX クライマックスのkoyamaxのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
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(採点不能とかではないんですが、都合により採点してません。)

いつも新しく、良くも悪くも突き抜けた世界を見せてくれるギャスパーノエ先生の最新作。
時に感情移入するも同意はしたくない笑
しかし見ずにはいられない稀有な作家です。
キャリアにおいてずっと尖りっぱなしの作風というのはすごいです笑

お客さんはこの映画を観に来たと思えないようなまともに見える方々でした(当たり前ですね^^;)



以下ネタバレあります



今回のシチュエーションはシンプルです。
部屋の中で集まったダンサーたち
みんなで飲むサングリアにLSDが混入されてさあ、大変に!
外は吹雪、密室の中で起こる阿鼻叫喚。。


ダンスシーンが鮮やかです。
文字通り普通ではない角度から捉えた視点に加えて、超人的なダンスを次々と繰り出し、この段階でかなりの高揚感がありました。


時計を見た訳ではないんですが、
このダンスが極まったところ、中盤に差し掛かるくらいから文字が次々あらわれますが、ここからがタイトル。
結構観てますけど今からですか!?みたいなタイミングです。
毎回色んな意味でフォーマットを崩してきます笑
ギャスパーノエ先生の世界はここからですよ、というアナウンスの親切設計です笑

閉所の中で全員がドラッグにハマってしまったら、というのは、ホラー要素として、いままで意外とありそうでない感じでした(有ったらすみません)
ジャンル映画に転用してもいけるでしょう。

定型ない作家性の強い作品はどこに連れていかれるのかが最後までわからず、そこ自体が醍醐味ではありますが、
一般ホラーに転用できるシチュエーションが仇になっている部分もあり、
そこは描かないの?
さっきのあの人どうなったの?
ジャンル映画文脈の流れとしての素朴な疑問が頭をもたげてしまい様々な流れが割と放りっぱなしであることは否めない感じがありました。

とはいえギャスパーノエ先生にそれを求めるのも野暮というか、個人的にはカメラまわりまくり赤と黒で塗りつぶされた世界、異常な息苦しさはさすがでそこを堪能するには充分満足でした。

ただ結果的に過剰にグロテスクなシーンもあまりなくエロスのシーンもドラッグキマリまくりの男女の集団のわりにはちゃんと二人一組で事に及ぶなど意外と律儀だなと^^;
先生の割には抑え目かもしれません。。

今までの作風は主観的視点の塊みたいな感じでしたが、今回は特定の視点を持っていないところも新しいところかなとおもいました。
エピローグに客観的立場のまともな社会的存在が介入してきたのも今までのギャスパー先生にない感じだったかもしれません。

ストーンズはストーンズでしかないように
ギャスパーはギャスパーの持ち味を期待する分には申し分ありません。
また次も観るんだろうな。。
その前にこの作品を再鑑賞する気がします。
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