踊るという本能的行為と麻薬のバッドトリップ、カメラワークのセンス…LSD入りのサングリアを飲んだダンサーたちが狂喜乱舞する97分は刺激の強い、強すぎる映画体験をした。久々に映画観終わった後、頭痛くなりました(笑)…
年齢制限上、今作が初めて劇場で観たノエ作品だったんですけど、やっぱギャスパー・ノエ監督のセンス、最高だなと…冒頭のスタッフロール、途中に入るキャストやスタッフのテロップ、上下逆転する映像(ちゃんと日本語字幕が対応してるのもさすがだった…)、そして冒頭にスタッフロールを済ませてるが故にラストのタイトルロゴ表示で上映終了…最高の演出です。
冒頭の長い長いイライラすら覚えるダンサーそれぞれのインタビュー映像が終わってからのCerroneの「Supernature」がまた最高で、音楽の最高さとダンサーの踊りが相まって良かった。そして、そこからダンサーそれぞれの会話シーンが始まる。あいつをヤルかヤらないかで盛り上がるもサングリアのおかしさから物語は地獄絵図の様相を帯び始める。
誰がサングリアにLSDを入れたのかといった犯人探しを始めるも、個人と個人、集団と集団の心理がぶつかり合い、LSDが入ってるが故に人々は狂い、喚き、乱れていく。まるで獣のように。
踊りと麻薬絡まるとこんなことになるのかと。快楽と不快の両面を兼ね備えたこの映画も一つの表現の形と思うとさすが、ギャスパー・ノエ、さすが、フランスと思わせる映画でした。
そして、そんな薬物によるバッドトリップを見せられた直後にスマホの画面に躍り出たのは「沢尻エリカ、合成薬物(MDMA)で逮捕」の速報ニュース。僕にとってはここまでが「CLIMAX クライマックス」の映画体験でした。本当に最高…