すずき

ハロウィンのすずきのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
3.6
「ハロウィン」の続編で、「ハロウィン2」以降の続編は無かったことに。(ミレニアム以降のゴジラ方式)
「ハロウィン」ラストに姿を消したマイケルは、その後フツーに捕まってフツーに精神病院送りにされた模様。そして40年…

自分は初代しか見ていないから、過去シリーズ作との比較は出来ないけど、初代を相当意識した作りになってるな、とは思った。
マイケルは「13金」シリーズ後期のジェイソンと違い、何のスーパーパワーもない、殺人鬼。
ただ良心の呵責や罪悪感が完全に欠如していて、肉体のリミッターが外れている近距離パワー系キ◯ガイ(こう書くと身も蓋もないな)。
2以降の設定も無かったことになっているので、マイケルと主人公ローリー達ストロード一家との血縁関係も無し。従って彼が一家に固執する理由も全く不明で、気味が悪い。
その理由不明の気味悪さが、「ハロウィン」の怖さの様な気がするのだ。

そして、彼に狙われるローリー婆ちゃん達ストロード一家。
ローリーは40年前の事件の恐怖で心を病んでおり、娘に戦闘訓練をしたり、家を要塞の様に改造したり、完全にヤバい婆ちゃんだ。佐賀のやばい婆ちゃんだ(思い付きの駄洒落ですいません)。
しかし、ようやくやってきた有事の際には、これ以上ない程に頼りになる、絶対マイケル殺すウーマン。
闘争本能が強すぎる為に、わざわざマイケルの間合いに近づいてしまうのが玉にキズ。
娘も孫娘も、そんな婆ちゃんにドン引きだけど、親子三代が力を合わせてブッ殺すクライマックスは台詞も展開も物理的にも最高に熱い!
まああの死体が確かめられなさそうな殺し方にする辺り、ホラー映画の登場人物の詰めの甘さを感じる(笑

昨今のメジャー洋画の完成度の高さに比べると、どうも荒削りかな、と思う所もあって…
例えば、マイケルの主治医のキャラなんだけど、中盤にめっちゃキャラが立って、うおお!って思うんだけど、その後あっさり退場。何やったんアレ?
あとローリー孫が車から降りて逃げるシーン、目の前のポリスメンinパトカーの方へ駆け込むのが普通だろうに、わざわざ森の中に逃げ込む!
そんで公園的な所に迷い込んで、そこに飾ってあるキモい彫刻を見て絶叫!しかもマイケルは別に追ってきてないし。何やったんアレ?
マイケルに踏まれて「スキャナーズ」みたいに頭がパーン!するシーン、面白いけどそうはならんやろ…。
子守のお姉さんがマイケルに捕まったガキのリアクションも、まったく恐怖を感じない。
これは子役の演技の問題か、それとも演出が悪いのか。
しかもこのガキ、お姉さんをあっさり見捨てて逃げる!おねショタの風上にも置けないガキだ!
これはおねショタで、ショタが友達を連れてくる展開ぐらいのギルティだ!

怖いシーンといえばやっぱり、マイケルが出そうで出てこない時が一番怖いね。
画面に出ちゃうとそんなに怖くなかったり。
それからゴアシーンも初代に比べて大幅アップ!苦手な人は注意。
あと静かなシーンから突然デカい音でビビらせるのは勘弁してちょ。
笑ったのは、初代「ハロウィン」のラストのパロディ。お前がやるんかい!と脳内で突っ込み入れてしまった。アレ笑う所だよね?