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どうしようもない恋の唄のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

どうしようもない恋の唄(2018年製作の映画)
3.7
事業に失敗し、妻にも捨てられ、死に場所を求めて迷い込んだ場末の町。矢代光敏(カトウシンスケ)は、そこで出会ったソープ嬢のヒナ(藤崎里菜)に拾われる。危ういほどに純真で無防備なヒナの明るさとその肉体に溺れるうち、いつしか生きる希望を見出してゆく矢代。事業を再開し、ドン底の生活から抜け出そうと決意する矢代だったが、その先には思いもよらない落とし穴が待ち受けていた……。どうしようもない男と女が七転八倒の末に辿り着く愛の結末とは……?
草凪優の同名小説を映画化。
事業も妻も失った矢代が、ソープで出会ったヒナに境遇を同情され、ヒナの無邪気さと肉体に溺れた矢代は、再起を賭けて危ない橋を渡るというストーリーは、水商売の女に夢見過ぎな男性の妄想かファンタジーという感じだけど、ヒナの女の体を武器に男性にすがらないと生きていけない弱さや一途さ、地道に正業につくのではなく一攫千金を目指してジャンクなペットフードビジネスに手を出したりヒモ暮らししているのに「今は夢の途中」と言い訳する矢代たちクズ男性のリアルさは、しっかり描かれている。
ヒナのためにペットフードビジネスに手を出したのに、ヒナとすれ違いぞんざいに扱い出してしまうところやヤクザに上前をはねられヒナに八つ当たりする矢代のどうしょうもないところも、リアル。
中でも、ヒナがヒモ男と、矢代がヒモ男の彼女の間宮夕貴と交わるシーンのどうしょうもないやるせなさは、切ない。
最後の最後に愛するヒナのために、ヤクザの峯岸と話を付けようとする矢代は、どうしょうもない中でも一片の意地を感じた。
まさにどうしょうもない恋の話の映画。
藤崎里菜は、まあまあ頑張っていた。間宮夕貴は、短い出番だけどラブシーンを含めて良かった。
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