はるちゃん

ユーロクライム! 70年代イタリア犯罪アクション映画の世界のはるちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ユーロクライムが流行りはじめた頃は、現実でも犯罪が増えていたようです。68年が変わり目だったとのこと。同じくして69年には赤い旅団が結成、誘拐などさまざまなショッキングな犯罪を起こしたそうです。

市中にカラビニエリ(国家治安警察)が常駐するようになり、異様な雰囲気の時代であったと回想されている出演者の方のインタビューも印象的でした。

しかし社会状況もさることながら、アメリカ映画「ダーティーハリー」「ブリット」などの影響が根底にあってこそのユーロクライムだそうです。体制に嫌気がさした刑事を発端に、体制と社会全体の両方を敵に回していく刑事像などまで、、、いずれにせよ、たった一人で戦うスタイルがほぼ踏襲されているとのこと。この辺りも「ダイハード」などに連なっていく流れの一つなのでしょうね。

一方、ユーロクライムが流行る以前に一世を風靡していた西部劇の終焉に決定打を打ったのは、テレンス・ヒルとバッド・スペンサー主演のウエスタンコメディ群だったそうです。

早撮りの低予算。許可なしのゲリラ撮影。音は別撮りなので、ガヤガヤしながら楽しく!?撮影。ネタの使い回しや剽窃、流用なんでもあり。時には実弾をこめて撮影(これも早く撮れるんだそうです苦笑)、すごい世界でした。

危険なアクションシーンも自分でこなしてしまうジャン=ポール・ベルモンドはジャッキー・チェンの憧れだったとか。アクション、カーチェイスも見もの。

まだまだマカロニウエスタンに入門した程度ですが、これからユーロクライムもたくさん観ていきたいです。

メモ
アメリカのスターを招いて作られた作品としてピーター・フォークとジョン・カサヴェテスが共演している作品があって気になった。「明日よ、さらば」かも。観たいな。

「ゴッドファーザー」のソニーが死ぬシーン。マシンガンダンス?すごく印象が強く、あれはみんなこぞって模倣したがったそうです。気持ちわかる。