あの時に青島は死んでいた。
TVドラマにどハマりして、インターネット創成期という時代背景もありチャットルームなどで踊るファン達と戯れ、関連本を読み漁り首を長くして待ち侘びた待望の映画公開日。初日に観て、またあれこれチャットで語り、2度3度と劇場に足を運んだ。結果劇場で5回、DVDなどを含めると最低でも20回以上観ていると思う。
とにかく好きだった。『天国と地獄』や『羊たちの沈黙』『エヴァンゲリオン』『パトレイバー』などのオマージュも今考えるとただのパクリじゃん!と思ってしまうが、若い自分にはとても刺激的だった。画面の隅々に散りばめられた直接物語に関係あったり無かったりする圧倒的な情報たちを追うのに必死だった。
今考えるとあの狂騒は何だったのだろうか。
劇場版2作目は今も実写日本映画の歴代興行収入1位という大ヒット作だが、僕は劇場に行かなかった。もうオレたちの『踊る』てはなくなってしまったという寂しさからだろうか。
僕の中では、この劇場版1作目、室井さんの運転する車の中で、すみれさんの膝枕で、青島は死んでいた。
そこから先は誰かの夢で、その後に作られた作品がどんなに酷い作品であろうと僕には関係ない話なのだった。
時々、ふとした時に観返すと、あの頃の楽しかった日々を思い出す。お台場が空き地だった頃。湾岸署が空き地署と呼ばれていた頃。
あの酔狂な日々を、いつしかまた味合わせてくれる映画に出会えるだろうか。
ただの思い出話でした😓