ねこまんま

ロケットマンのねこまんまのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.2
もしもピアノが弾けたなら…
人生に今以上の彩が加わることは間違いないでしょう。
ましてやそのピアノの実力がロンドンの王立音楽院に11歳で入学するほどのものであれば。

不仲の両親の元、レジナルドがピアノを始めたのは4歳の頃。その一度聴いた曲を再現する音感の持ち主こそ、後のエルトン・ジョンその人。


エルトンの半生を彼自身の名曲に乗せて綴るミュージカル。
演じるタロンの憑依っぷりに圧倒され、その奇抜なファッションに目を見張り。
けれど。やはり。その楽曲の素晴らしさに心を奪われます。

親の愛情に飢えた彼の心を満たすこと
それは音楽で成功し、認めてもらうことに等しく。
素晴らしいメロディを創ることに長けていたものの、歌詞が描けなかった彼の前にバーニーという天才的な詩人が現れたことから、運命の歯車が回り出します。

栄光を掴み、孤独は癒されたのでしょうか?
更なる重圧、性的な悩み、容姿へのコンプレックスなどからお酒、ドラッグに溺れる姿も容赦無く描かれています。

あれほど世界的に成功を収めた彼なのに。
愛を求めて震える子供時代そのままに見える場面の数々。


父に、母に。
上手に弾けたね、と一言褒めて欲しかった
彼の心の叫び。
ピアノが無かったら。レジナルドがエルトンになることも無かったのでしょう…


私の記憶にも、小さな指で鍵盤を弾く楽しさがあります。母がいなくなり、残念ながらピアノを続けることは叶わなかったのですが。
もしも、弾き続けていられていたらと思うのは、こんな作品に出逢う時。