109mania

ロケットマンの109maniaのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
2.5
見ていて楽しい部分と、不快な部分が割とはっきり分かれていたという印象だ。アメリカに渡って最初のライブシーンまではとても良かった。観客と自分が一体となり、その高揚感をまさに宙に浮く演出で表現したところなどは、ダサかっこいい。
それ以降、一気にスターにのぼり詰め、自分を見失い、裏切りと孤独に苛まれる姿の描き方には、自己正当化のニュアンスがずっとつきまとっていて好きになれなかった。エルトンジョンの熱狂的信者なら別かもしれないが、周辺の人物をいい人、悪い人にエルトン目線で二分して、自身の不幸はこの悪い人たちのせいであるかのように描いているところが、不快。観客にゆだねでも充分だったはず。本人がどれだけ映画づくりに参画したのか知らないけど、同じく成功者の孤独と苦悩を描いた、ボヘミアンラプソディーとは、主人公によりそえるかどうかに大きな違いがあり、鑑賞後の爽やかさに、雲泥の差となって現れた感じだ。
ミュージカル風に描くなど新鮮さもあったし、俳優の歌唱力など、とても良かっただけに残念だ。
エルトンジョンは昨日見たライオンキングを始め、好きな楽曲も多いんだけどなあ。
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