dai

ロケットマンのdaiのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.7
伝記映画が人気の昨今だが、
個人的にはベスト級の伝記映画である。

側から見ると、富に加え地位も名誉も手に入れたエルトン・ジョンだが、渇望していたのは愛だった。成功者の背景にある愛の欠如は、そこに漬け込む悪い人間に利用される。やがて彼はドラッグと酒で自ら身を滅ぼすようになる。ステージでの華やかさが虚構のように見え、華やかであればあるほど、その裏にある闇の深さを感じずにはいられない。

主演のタロン・エガートンがとにかく素晴らしい。しっかりとエルトン・ジョンを演じ切りながら、タロン・エガートンの個性を残している。
『ボヘミアン・ラプソディ』と『ロケットマン』比較するならば、前者はクイーンの音源をそのまま使ったのに対し、後者はタロン自らがエルトンの曲を歌っている。その点で言えば、タロンの歌唱力の高さは圧巻の一言。

映画鑑賞前にアトロクの町山さんによるエルトン・ジョン解説を聞いてからの鑑賞だったが、これから見る人には、聞いてからの鑑賞を薦めたい。もちろんネタバレ云々あるとは思うが、伝記映画なので、人となりがわかった状態での鑑賞の方が楽しめると思う。
特にエルトン・ジョンとバーニー・トーピンの関係性なんかは知ってから見た方が絶対面白いと思われる。
dai

dai