きよ

ロケットマンのきよのネタバレレビュー・内容・結末

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

タイトルのポップさと予告編の陳腐さに油断してた。だいぶいい映画。

ボヘミアン・ラプソディではぼやけまくってたモヤりを晴れさせるような仕上がりだった。
スターの孤独と寂しさと愛に対する飢えに、ゴリゴリ焦点のあたった映画。愛されることに恵まれないで大人になると、自分を大事にできない。自傷行為に歯止めがきかない。助けを求めるのが難しい。手放してはいけない相手を見誤る。渇望して止まらない。そういうのが、詰まってた。

最後の方。想像の中、エルトンが父母ひどい男に言いたいことを言って許す、幼少期の自分を抱き締める。親友のバーニーに「(人に依存しないで)自分で立ち上がるんだ」と言われて、一歩を踏み出すシーンがある。過去を許すことと、自分の足だけで立つこと。この2つは、依存と愛の渇望から打ち勝つ唯一の方法だと思う。エルトンはその通過儀礼を経た。

最後の最後で紹介される本人のその後が、いい意味で泣ける。可哀想がれで終わる物語は嫌なので。その意味でもよかった。‬
音楽もよかった。初めて聞いた曲でも、初めて聞いた気がせず滲みた。
きよ

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