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ロケットマンの516のレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.0
全くノーマクだったから、期待値の上げ幅では間違いなく今年ベスト級
本当に見て良かった♪


映画見てこんなに体力使ったのは、マッドマックス怒りのデスロード以来


見終わった後に具合が悪くなったというか、ちょっと精神状態が不安定になる位変なハマり方してしまった




物語序盤、
集団カウンセリングのシーンから、ミュージカルで始まる幼少時代の回想「あぁ、こういう映画なんだ」
ここまでは冷静に見る事ができた



開始30分位
この映画、ここからが地獄の始まり

劇中初めてバーニーが作った歌詞にエルトンが即興で曲をつけて出来た「Your Song」
もうこれがむちゃくちゃ切ない

ゲイであるエルトンがバーニーを想う気持ちと、親友としてバーニーがエルトンを想う気持ちは全然違う

バーニーはその事を全部理解した上でエルトンの気持ちを歌詞にする、、、ドSかよ

その歌詞に曲をつけて歌うエルトンも負けず劣らずなドM野郎


このあと要所要所で物語にリンクするような曲が流れるけど、二人の関係性を考えるとまさに生き地獄





物語中盤、
ライブ前に母親へゲイである事をカミングアウトした場面
母親から「あなた大変よ。これから誰にも愛されず、孤独に生きていくんだから」

人間に限らず、どんな生物も我が子には無償の愛情を注ぐようDNAにインプットされてるはず、だから親が子供を拒絶する描写って生理的にかなりキツイし正直見たくない



色んな問題を抱えてはいるけど、アーティストとしては成功している。
ただ、きちんと問題と向き合わないで見過ごしてきた1個1個の歪みを、ドラッグ、SEX、酒で誤魔化した結果、最終的に大爆発!
からの、冒頭カウンセリングの場面に戻ってくる、この円環構造の話し運びはめちゃくちゃ上手い



物語終盤、
自分を隠すための鎧であるド派手な衣装はもう無く、幼少の自分を優しく抱きしめるショット、社会の現実の抑圧から解放されて、ついに自分が自分であることを本当の意味で受け入れる、、、ここで涙腺崩壊、体内の水分8割くらいもっていかれた



この映画エンドロールに最大の衝撃
幼少期のエルトンと、演じてた子役が瓜二つ、CGかよって位似てた








映画館からの帰り道
車を運転してると

「ウーウー!そこの車止まりなさい」

んんん??え、俺?


車を路肩に停車、
後ろに付いてたパトカーから警官2人が降りてきた


「お兄さん大丈夫?目が真っ赤で疲れてそうだったからさ」
警官が言うには交差点ですれ違った時に俺の顔が普通じゃなかったとのこと


帰り道サントラ聞きながら余韻に浸ってた(てか思い出してまた泣いてた)
とこをすれ違った警察官が不審に思ったみたい


その後、職務質問、手荷物検査、車両検査、飲酒運転のチェック、もちろんなんも出てこず、最後に

「仕事帰り?」

「いや、映画見てまして」

「なに見たの?」

「エルトン・ジョンのロケットマンです」

「あ~良いって聞くもんね!まぁ、家まで近いから気を付けて帰ってね」

で無事解放された



なんもしてないけど、警察に呼び止められると緊張するよね。笑
てかロケットマン起因で職質されたの俺くらいやろ
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