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ロケットマンのRのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.0
エルトンジョンってほとんど聴いたことなかったんやけど、つい最近YOUR SONGという曲に惚れ込み、毎日聴いてさめざめ泣いていたので、これは見るしかないと思い、見てみたました! ボヘミアンラプソディーと同じ監督で、かぶる部分も多いけど、ビックリだったのがこっちは完全にミュージカルだってこと。みんなノリノリで歌って踊ってする二つ目のミュージカルシーンは見てるこっちも心躍る! 全員が一斉に同じ動きでダンスするのってやっぱ気持ちいい! 思わず身をのり出してしまった。けど、話はかなりヘビー。同性愛者であるエルトンは、両親からの愛を得られぬまま育ち、天才的なピアノの才があった彼は、おばあちゃんの励ましでピアノを極める。クラッシックから始まり、ロックを経てブルースへ、そして、バーニートーピンという作詞家との運命の出会いを果たす。バーニーの歌詞に曲をつけ、美しい曲をクリエイトするエルトンはバーニーに恋をする。が、バーニーはヘテロなのでエルトンと恋愛関係にはなれない。彼はエルトンにI love you but...て言っちゃうねんな、それは残酷だよ、バーニー。で、ある日バーニーは、自宅で書いてきたYOUR SONGという曲の歌詞をエルトンに渡し、エルトンがピアノを弾きながら作曲していく。その美しさにバーニーは驚き、感動する。このシーンはこっちも胸が熱くなって、涙ボロボロこぼれてしまった。バーニーがエルトンの気持ちを知り抜いてて、それを詩にしてるとしか思えない。それはスウィートでもあるけど、残酷でもある。アメリカでの初ライブ(めちゃくちゃ心躍るエキサイティングなシーン!)のあと、バーニーが女と愛を交わしに行くのを遠くから見送るエルトン…ハートブレイクーーー💔 なときに、ジョンリードという音楽プロデューサーがエルトンに近づき、エルトンは男との初セックスを味わい彼と恋人関係になる。そして自身の抜群の才能とジョンリードの手腕で、ロック界のスーパースターとしてロケットのように世界を昇りつめるのだが……と、そこから酒とドラッグとSEXと放蕩と愛の枯渇の地獄に墜落していく。まぁ、ホント、ミュージシャンの典型的と言えるrise and fallモノなのですが、エルトンの素晴らしい名曲に載せて煌びやかなミュージカルが展開していくのが何よりの見どころ。めくるめくシーンの移り変わりとポップかつシュールな演出が、ド派手で目に愉しく、ヘビーなストーリーがヘビーになりすぎることなくポンポン進む。何と歌は主演のタロンエガートンがリアルに歌ってはるとのこと、どんだけ才能あるねん。丸っこい顔とぷよぷよボディーに愛嬌もあって大袈裟な演技もキュート。特にお母さんに電話でカミングアウトするシーンの演技が素晴らしかった。中盤までは何もかもが最高に楽しく、これはボヘを超えるのでは!と思ったけど、後半の悲劇&ミュージカルにて、人生ダイジェスト感が強まり、はい次こんなことがあり、お次はこんなことがあり、はいその次は……みたいな感じで連続するので、ドラマ性が薄れて少々くどく感じられてしまった。で、ライフストーリーがガンガンに悲劇的な割に、落着だけはポンとついてしまうのでした。まぁいいことやけど。てか、ホント名曲揃いなんすねーエルトンジョン。めっちゃ耳に残ったのは、ROCKET MAN、GOODBYE YELLOW BRICK ROAD、I’M STILL STANDING。素晴らしいです。あと悪趣味なギラギラ衣装もインパクト大! 魔王やラスボスみたいな感じ良かった! いまは愛する旦那さんも子どもたちもいるみたいで、良かったね、エルトン! 今後もエルトン愛聴していきたいと思います。
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