シグのすけ

ロケットマンのシグのすけのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
3.8
リアルタイムでファーストアルバムを買ったミュージシャンには思い入れがある。スミス、アズテックカメラ、アブリルラビーン、スティーブフォバート、レイチェルヤマガタ、レディオヘッドとかはヒットする前に買ったのだと自慢したくなる。

逆にグレイテスヒット、ベスト盤から入ったミュージシャンもいる。彼等が真剣に決めた曲順もコンセプトも無視し、レコード会社が適当に決めた曲順のおいしい曲を並べた料理にへらへらありつく。私はずるをしたのだ。本質から目を背け綺麗なドレスで着飾った彼女に包まれ淫らなダンスを踊ったのだ。私は断罪されるだろう。裁きの場にひざまずき告白を強いられ本当の名前で呼ばれ叱咤されるだろう。雨のように容赦なく。

正気に戻って続けると、私はエルトンジョンのグレイテストヒットから入ったのだ。
私はそれを今まで隠して来た。自己紹介の時も隠して来たし免許証の更新時にも決して口を割らず、履歴書にも書かずにいた。私はその事でたいそう自分を悪魔だと感じ、自分への戒めとして生野菜や果物やマヨネーズを食する事を禁じ、嫌いな酒やタバコで自分の体を苛め、夜中に好きでもないソフトサラダや柿ピーを食べる事を課したのだ。後悔はしていない。スカイラインピジョンを知るのが遅れたのが残念なだけだ。

そんな訳で距離を置いておそるおそる観たロケットマン、面白いじゃないの。途中からエルトンに似てるとかそんな事どうでもよくなり、なんかよくありがちではあるがロックスターの孤独や転落をロックオペラ風にテンポよく見せてくれて飽きなかった。なんかTommyを思い出した。あの時のコスチューム出てたかな?
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