MasaichiYaguchi

キングダムのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
3.9
マスコミが好景気と喧伝する割には実感が薄く、逆に社会に閉塞感が漂って夢見ることよりも現実と向き合うことを求められるこの頃、原泰久さんのベストセラー漫画を山崎賢人さんの主演で佐藤信介監督が中国ロケを敢行してスケール大きく実写映画化した本作では、夢を持つこと、夢を実現する為に頑張ることの大切さを高らかに謳う。
本作の冒頭で中心となる二人、戦災孤児で奴隷の少年・信と王宮を追われた嬴政はドン底にいる。
四面楚歌、絶体絶命な状況の彼らは、それでも夫々が抱く大いなる夢を諦めず、死中に活を求めながら夢に向かって突き進んでいく。
信役の山崎賢人さん、嬴政役の吉沢亮さんは原作のキャラクターに成りきって、アクションを含めて熱演している。
その他の主要キャラクターに関しても、長澤まさみさん、橋本環奈さん、本郷奏多さん、大沢たかおさん、高嶋政宏さん、満島真之介さん等、夫々が熱を持って取り組んでいるのがスクリーンから伝わって来る。
この作品は、主人公達の敗者復活戦劇にして「キングダム」の序章にあたる。
未だ彼らの夢の実現までには長い道程があるので、恐らく続編の登場、場合によってはシリーズ化されると思うのだが、この作品に負けない熱量でアクションやドラマを繰り広げてくれることを期待したい!