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キングダムのesewのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
2.5
2019.11/10


よく頑張ったなという印象。

その印象が日本エンタメ映画界の、そして日本の現代カルチャーの位置付けを物語ってて、つまりは中国や韓国の後塵に過ぎないのが2019年現在の日本の現実。


カリョウテン役の橋本環奈が意外と良かった。顔見てもずっと彼女と認識しておらず物語最終盤でやっと気づいた。つまり本人のキャラからかけ離れた、人物像を作れていたということで女優としてちゃんと機能してるのに驚いた。カリョウテンとしてもほとんど違和感がなく、意外とあの漫画漫画したキャラを実写に召喚して動いて喋ってしても成立さすのは高度な演技力なんじゃないか。


CGやアクションも質が高く、スタッフロール見るまでは韓国や中国のアクションやVFX会社に外注してるんだろうと思ってたけど、実際はほぼ全部日本だったのでやればできるんじゃん!となった。ただやっぱり、他のアジア諸国の作品と比してやればできるなんていうスタンダードの低さが残念で、日本オリジナルの表現はなかった。

これぐらいの作品は中韓港台の作品のが現状は質が上であるのでそっちをまず見た方が効率がずっと良い。

やっぱり原作がないと制作費を高くできないけど、原作があると固定ファンがうる過ぎて漫画のモノマネにどうしても制作側、
特に役者の演技が引っ張られてしまうのがディスアドバンテージ過ぎる。漫画は紙芝居(カッコいいイラストと決めゼリフを中心に物語る)なので、実写(途切れない現実をカメラで恣意的に切り取る)にすると緊迫した生きるか死ぬか、仕留めるか仕留めそこなうかの場面で決めゼリフを悠々とダベってることが頻発して不自然極まりない。

これは普通映画監督が物語技法として上手く漫画から実写に翻訳しなければならないはずなのに、固定ファンと大きな制作費のせいで口出す人が多すぎて上手くいかないのだろう。
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