yukihiro084

キングダムのyukihiro084のレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
3.8
観ました。観ました。
最後まで失速することなく
楽しかったです。若手俳優たちの
疾走感とがむしゃらさ。
若さって重要な資質ですね。
未完成の強み。まだ何も始まって
いないという高揚感。
夢を声大きく叫べる真っ直ぐさ。
夢は約束になり、約束は到達地になる。

中国の歴史劇を日本語で演じる演者たち。
なかなか難しいバランスと空気感と
見せる時のリアリティ。その中で、

吉沢亮の芝居って、じっくり初めて
観たかもしれません。いいですね、彼。
横顔、目つき。声の出し方。そして
覇気みたいなもの。いいぞいいぞって
声が出てしまいました。
長澤まさみも、目を見張りました。
美しさ、存在感。うーんと、
(清濁併せ呑む)リーダーを演じて
さすがでした。殺陣も素晴らしかった。
あとは、主人公の壁となる敵キャラ
良かったですね。特に橋本じゅんさんと
坂口拓さん。ゾクゾクしました。
突き抜けてましたね。
そういう俳優たちの見せ場や熱演が
あって、最後まで楽しかったです。

さて、あとは、気になったことを。

思いの外、現代劇でしたね。
中国の紀元前の戦国時代が舞台
なんですけどね。
で、山崎賢人と橋本環奈の
キャラクター設定やお芝居、
アレで正解なんですか?やっぱり?
ごめんなさい。僕にはわからなかった。
うーん、軽かったかなーと。
場面の流れを止めてしまう軽さでは
なかったですか?

これはもう最近よく書いている
ことなんですけど、アクションモノに
多いんですけど、全体のテンポ、
場面のテンポが少し早いんですよね。
それは(必要な場面でしか構成
されていない)からだと思うんですよね。
一見(不必要な場面)が欲しい。
序盤に主人公のスポ根並みの描写が
あるじゃないですか。あんなシーン
見たくないですよ。
だったら、草原の中、ポツンと
立ち尽くすシーンとか、
寂しそうにとる食事の後ろ姿とか
そんなシーンを見たかったです。
だって唯一の存在だったんでしょ。

あと最近、命のやり取りの場面で、
悲劇さが足りないと思うんです。
(あぁ)と絶望の声が出るようなです。
最近の悲劇は、お腹にズドンと
きません。こちらが、怒りに震えて
しまうようなものが。

ある程度の重さ。シリアスさ。渋み。
企み、狡猾さ、人間の醜さ、弱さ、
愚かさ、声を失うほどの絶望と悲劇。
ほんのワンシーンでもいいんですけどね。
そんなこちらの思いとは裏腹に物語は
サクサク進む。

脇を固め俳優さんが演じた
キャラクターも深みが欲しかったです。

そう考えると、大沢たかおの
キャラクターは大満足でした。

まっ、なんだかんだ、ワンオクの
テーマソングに、(うおー)って
気持ちを持ってかれちゃうんですけどね。
単純。
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