エイデン

キングダムのエイデンのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
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紀元前245年
500年もの間 争乱が続く春秋戦国時代
中華の遥か西方にある国“秦”
戦で親を失った少年 信は、身売りされて運ばれている最中に偶然見かけた“天下の大将軍”王騎に憧れを抱く
やがて信は、里典という男の下僕となるが、同じ境遇の年端も変わらない少年 漂と出会う
2人は仕事の傍ら独学で剣の修行を続け、いつか天下の大将軍になることを夢見るのだった
やがて2人が逞しい青年になった頃、秦王族の家臣 昌文君が里典の元を訪れ、漂を王宮へ召し上げたいと申し出る
自分だけが夢に向かって先んじることに負い目を感じる漂だったが、信と行き着く先は同じだと語らい、昌文君と共に去っていくのだった
それからも信は1人で修行を続けていたが、しばらく経った夜 彼は不審な物音を聞いて目を覚ます
そこには豪華な着物を血で染めた漂の姿があった
漂は瀕死の重傷を負いながらも信にそこへ行けと言って地図を手渡すと、信が羽ばたけば自分も天下に至ると告げ力尽きてしまう
信は親友の死に動揺しながらも、漂が携えていた剣を手に外へと飛び出す
外は漂を追ってきたと思しき兵士達によって蹂躙されていたが、信は激情に身を任せて立ちはだかる兵をなぎ倒しながら地図の場所へと向かう
そこには小屋があり、中には何と死んだはずの漂と瓜二つの男がいた
取り乱す信に対し、その男は秦の若き王 贏政であると名乗る
政には成蟜という弟がいたが、突如兵を率いて反乱を起こし、命からがら逃げ延びたのだと言う
政の影武者だったことで漂が死んだこと知った信は怒りをあらわにするが、そこに成蟜の放った暗殺者 朱凶が現れ、政は追い詰められていく
しかしそれを救ったのは信だった
更に漂を殺したのが朱凶だと判明したことで、信は剣を手に激しい戦いを繰り広げ、遂に朱凶を下す
未だ困惑する信に対し、政は漂が自らの意志で命がけで自分を救ってくれたことを語り、親友の思いと自らの夢を背負い乱世に身を投じることを決める



原泰久の同盟漫画を原作とした歴史アクション映画
古代中国の春秋戦国時代を舞台に、後の始皇帝となる政と、秦の将軍 李信となる信の戦いを描く

脚本には原作者も参加、監督はアクションものの実写映画に定評のある佐藤信介、アクション監督に下村勇二
自分は原作は知らないけど、なかなかそれっぽいキャスティングで固め、しっかりラスボスに坂口拓もいるという無敵の布陣

しっかり漫画原作という点を押さえながら、全ての力がすげぇアクションを撮ってやるという方向に進んでいることを感じさせる良作
画面に映えるキャラクターが派手でキレッキレのアクションをかましまくる純粋な面白さはもちろんのこと、古代中国という舞台が異世界感を醸し出すのが大変よろしい

ドラマパートに関しては最低限ながら、信の思いと政の意志がしっかりと描かれてるので最後まで白けることがない

日本映画らしからぬスケール感とパワー
「激情」と「躍動」という原作者の込めたテーマが画面で弾けるのを感じられる実写映画としてのレベルの高さは確かなもの
溢れ出る力の奔流を全身で感じよう
エイデン

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