周りが激推ししてくるので見た。
日本の漫画実写化映画はほとんどがゴミなので、それらに比べれば一億倍マシだし十分に面白かったが、かと言って手放しで絶賛する出来ではない。
ではどうすれば良かったかと言うと、残念ながらこの映画が抱える問題はスタッフ・キャストの努力ではどうしようも出来ない部分が多いのではないかと感じた。
予算不足、過剰に煽る音楽、予算不足、キャスティングの問題、予算不足など、悲しくなるので詳しく語るのは避けたいが、とにかく圧倒的に金がない。
もちろん解決可能な問題もある。例えばシナリオで言えば、もっとここを描き足した方が良かったのでは…という部分は色々あるけれど、バカみたいに金かけたハリウッドの映画に比べても大分しっかりしている。ノープランでラスボスに突っ込んでいくだけのハリウッド超大作は山ほどあるが、あちらは金に物言わせ迫力ある絵面を連発するので、なんとなくそうした穴を感じ難い作りにしているだけだ。
人間も同じだが、一つでも大きな穴(この場合、予算不足を隠し切れない絵面)があると、他の小さな穴も気になってしまう。
日本人は竹槍で銃に向かって行く民族なので、悲しいかな致し方ない。
とはいえ、良い部分もある。
・吉沢亮の熱演
・(邦画にしては)トントン拍子に進行するストーリー
・しっかり動くエキストラ
・坂口拓の全て
では金があれば「キングダム」はハリウッド映画みたいになるのかと言うと、おそらくなると思う。
金があれば、時間がかけられる。
金と時間があれば、日本も世界と戦える。
それは映画だけではなく、あらゆる分野・業種に当てはまるだろう。
もちろん、ハリウッドの真似事をしなくても良いのだが、ハリウッド的な映画を作りたい日本の映画製作者にとって、一つの限界を見た思いがして、やはり僕は「キングダム」を手放しで絶賛出来ない。
だが、どんな時も希望はある。
今は映画館の営業再開を待ちながら、敢えてこのコロナ禍に発表された続編に期待したい。
