こたつむり

キングダムのこたつむりのレビュー・感想・評価

キングダム(2019年製作の映画)
2.5
♪ 大切なものを守り抜く覚悟
  諦めないことだけ取柄さ
  進んでいく困難を 力で向こうへ
  
えー。
原作未読者の戯れ言だと思ってください。

美術は頑張っていたと思います。
雄大な大平原や壮大な王宮など、古代中国の雰囲気を再現しようとする熱意を感じました。

ただ…箱よりも中身が大切。
ハリウッドのように、年単位の時間をかけて肉体改造を行うのは無理だとしても…重要な戦闘キャラクタに女性を配するならば…もっと配慮が欲しいところです。

やはり、この辺りが邦画の限界なのでしょうか。そもそも、本作のような題材ならば、無理に女性を前面に出す必要はないと思うんですけどね(但し、橋本環奈さんは別)。

あと、どことなく漂うヤンキー臭も微妙な限り。吉沢亮さんが演じる嬴政を引き立てるためだとしても、あまりにも仰々しい立ち振る舞いは肩が下がるばかり。特に後半の存在感の無さは主人公失格の烙印を押されても仕方なし。これでは山﨑賢人さんが可哀想です。

これらは原作を尊重した結果なのでしょうか。
大沢たかおさん演じる王騎からも“天下の大将軍”という雰囲気を微塵も感じなかったのですが…(つけヒゲが海苔みたいだったし…)。

あと、坂口拓さんが演じる左慈の扱いも雑だと思いました。一応、本作ではラスボス的な立ち位置ですからね。もっと強大で凶悪な存在感を前面に出した方が面白かったと思います。

まあ、そんなわけで。
劇中の登場人物である昌文君の呼び名が「将軍くん」に聴こえてしまう僕とは相性が悪かった作品。小学生の愚息は楽しそうに観ていたので、薄汚れた大人はお呼びでないのかもしれません。「なんだか『三國無双』っぽいなあ」なんて感想も口にしない方が良さそうです。

最後に余談として。
僕の中で《始皇帝》と言えば、本宮ひろ志先生の『赤龍王』。だから、始皇帝と名君が頭の中で結びつかないのですよ。煮殺せィ!
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