松波庄九郎

葬式の名人の松波庄九郎のレビュー・感想・評価

葬式の名人(2019年製作の映画)
3.5
監督は映画評論家樋口尚文。茨木出身の川端康成の短編小説のいくつかをモチーフにして脚本が書かれ、茨木市の市政70周年を記念して作られた。
シングルマザーとして仕事に追われる渡辺雪子(前田敦子)のもとに茨木高校の同級生だった吉田創(白洲迅)の訃報が届く。豊川大輔(高良健吾)ら同級生6人が霊安室に集まる。吉田に茨木高校を見せるため、6人でお棺を担いで市内を練り歩く。豊川が葬儀会社と喧嘩して同級生で通夜を行うことになる。
死体を扱う厳粛さはなく、コメディーなのだが、前田敦子の演技が物語に重さを与えている。途中から現実を離れて夢の中へ迷い込むが、カラッとした明るさの中で映画は終わる。
趣向を凝らしすぎてとっちらかった印象を受けるが、前田敦子を見る映画である。