ゆみな

不都合な自由のゆみなのレビュー・感想・評価

不都合な自由(2017年製作の映画)
3.5
ジェイ・デュプラス目当てでNetflixで観賞。

無実の罪で18歳で刑務所に入り38歳で仮釈放になったクリス(ジェイ・デュプラス)と、彼の早期出所を手助けした高校時代の教師キャロルとの複雑な関係を描いた映画でしたね。

まず、刑務所の中と外では2人の間に流れる時間や空気が違うのね。キャロルは現実問題として家族関係が崩壊しかかっていて、その寂しさを埋めるようにクリスの仮釈放へ尽力していたわけで。そんな事とはつゆ知らず、クリスは長い獄中生活の中でキャロルだけが心の支えだった。会えない時間が長かったからこそ、愛が深まったとでもいうのかな(古い歌でもこんな歌詞があったもんね)。
でも、いざクリスが自由の身になると2人の関係はギクシャクしてくるわけで…、キャロルには崩壊寸前とはいえ夫と子供が居るわけだし。クリスはクリスで40歳間近なのに職もなく、弟や友達との関係も微妙で。そこにはクリスが弟達を庇って刑務所に入ったという背景もあり…まあ、仮釈放になっても問題山積みだったわけですよ。人生って辛いね。

キャロルへの想いが募るばかりのクリスは、電話したり家に押しかけたり空気の読めない行動をしちゃうんだけども、キャロルは家族ぐるみで友達として付き合って行こうと提案する。で、夕食の席でキャロルの娘と出会って、クリスは寂しさからか娘と仲良くなっていくんですね。ここもまたキャロルにしたら複雑なのよ…本当は好きな男が娘と仲良くしてるんだもん。

この映画みたいな感情の起伏って、意外とどこにでも潜んでいる気がしてね。例えば自分が弱っている時に親身になってくれる人がいれば好きになっちゃう可能性もあるだろうし、身近な人には言えない自分の秘密を何故か話せてしまうのは意外な人物だったりね。私はクリスとキャロルの娘との関係のが個人的には好みでしたけどね。『ショートターム』で好きになったケイトリン・デヴァーちゃんが、今回もいい味出してたよ。

キャストが地味なので観る人少ないのかもしれないけど、これ意外と秀作なのでNetflix加入者にはオススメしときますね。
なかなか、良かったです。
ゆみな

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