海老

映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDSの海老のレビュー・感想・評価

3.4
※にわかの解説付き
※閲覧注意

妖怪ウォッチとは
街中に住まう可愛らしい妖怪を「友達」と称し、取っ捕まえて闘わせるプロットから一時はポケモンの対抗馬とまで言われるも、何でもかんでも妖怪のせいにする児童のモラルハザードを憂いたPTAに隠滅されかけているコンテンツである。

というのは嘘ですけど、一時のブームはどこ吹く風で、どうにも下火な市場は少しだけ寂しい。ゲームもアニメも未見でも、「妖怪体操第一」や「ジバニャン」くらいは知っている方も多いのでは?

上述の通り、骨子はポケモンに近いながらも、出てくる妖怪は基本的にギャグ路線。
"じがじーさん"(自慢ばかりする爺さん)や"ムリカベ"(何でも無理だと断るヌ○カベ)など、どうしようもない駄洒落が基本。それでいながら、"イバルーン"(やたら自慢話をする風船)や"ナンデナン"(何でも質問ばかりするナン)や"U.S.O"(嘘つきになるUFO)など、小学生児童にはありがちなトラブルの火種として秀逸な設定も多く、こんな奴いたなと案外大人も感心してしまうのが、週放送の内容。

ただ、映画となると途端に表情を変えるのはドラえもんに通じる様式。
いや、それ以上か。
ここまで過去作は「正統派」「オムニバス形式」「アニメ・実写混在」と回を追うごとに挑戦的になってきており、とうとう前作では「30年後を舞台にした別主人公」と出演者の総入れ替えまでしてしまっています。そして今回は逆に「何十年も昔の妖怪出生の秘密」といった内容で、またも別の出演者。

やはり、いくら「対抗馬」と持て囃されてもB級はB級だし、二番煎じである事は製作者が重々承知なのでしょう。手を変え品を変え、新しさを必死に模索する戦いは、後発には"シャケ"られな・・?いや、"避け"られないのです。"シシャモ"人気コンテンツで・・・・?いや、いや・・"しかも"人気コンテンツですからね。

・・・なんかおかしい。

久し"ブリ"に"アジ"わう劇場版は、"イサキ"良い程シリアスに"カジキ"りされてい"マス"。
"ホッタテ"小屋で、必死に病気の母を養う主役のシンとその仲間が、妖怪に"サバ"われた"タイ"切な人を"トリガイ"すため、子供と一部の友達妖怪だけで敵地へ向かう。一方の妖魔界は、"ギョク"座を狙う"エンガワ"けめ(天下分け目)の"アラ"そいの只中。"ウナギ"(恨み)を"ハラス"ためなら"イクラ"でも犠牲を厭わない敵の親玉。子供が"タチウオ"(太刀打ち)できる筈も無い死闘と、制限時間の"クルマエビ"(来る前に)勝たねばならぬ絶望感。

子供アニメゆえに、"イカ"よ"ウニ"もできる都合の良い展開に目をつむっ"タラ"、その先にある神話の"カレイ"な騒乱に驚く。
"ホウボウ"に"ハタハタ(貼られた)"細かな"フグ"線が"ツナ"がっていく"タコ"う感。
最後に"ハッカク"する真実と、"アユ"み続ける友の姿に"フカ"くにも"メバチ"ら(目頭)が熱くなる。


・・・いやいや。いやいやいや。
おかしいだろう。まるで普通に話せない。これは何かに憑りつかれているんじゃないのか。

愛用の腕時計を妖怪ウォッチに見立て、視界に光をかざしてみると、そこに現れたのは妖怪「だじゃれこうべ」。骸骨の風貌をしており、憑りつかれた者は兎にも角にも駄洒落を言わずにはいられなくなる、妖怪不祥事案件「30を超えるとやけに親父ギャグが出るよね」を引き起こす非常に困った奴だ。

真に恐ろしいのは、憑りつかれた者の言葉や文面から、読んだ人にうつるという事である。

ここまで読んだ貴方は、いま駄洒落が言いたくて仕方がない。
ゆえの閲覧注意。

読んでいただき、
"アジ" "カツオ" "マダイ" "マス" (ありがとうございます)


お憑かれさまでした
海老

海老