チャチャのパパ

斬、のチャチャのパパのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
4.2
監督が舞台挨拶にやって来る!と聞いてもう慌てて行ったさ。通常歩けば10分のところ3分で乗ったさ。

いつも余裕の自由席のキネ旬シアターが今日は指定。流石は塚本晋也!と席に着いた。

あらすじはある程度知ってはいたのだが、いきなりの刀鍛冶とヅカを握ってる男の手のアップ!なんなんだコレは?

“刀”という江戸時代の最強で最終的な武器。これが色々なメタファーになっている。「これは“野火”の続きなんです。」というのは監督の弁だが、刀は“武力”の象徴だ。これを行使することに主人公都築杢乃進が葛藤、それをジッと見つめる澤村次郎左衛門。杢乃進に想いを寄せるゆうと弟の市助。

最初は現代っぽい言葉遣いに一瞬違和感を覚えたが、すぐにそれはノイズではなくなる。剣豪らしい澤村は幕末の江戸幕府に仕官する為に仲間をリクルートしているのだが、そんな中、都築達に出会って・・・

池松壮亮。監督はまず主演をイメージしたら彼が思い浮かんだそうだ。蒼井優はある程度のプロットが出来上がって、さて女優さんは?て、ダメ元でオファーしたら、意外にも彼女は塚本組への希望があって・・・そんな話を監督本人から聞けたトークショーは、終始和やかな笑いと「ホーッ!」という内容で楽しかったです。

単純な反戦モノではなく、武力(刀)とはなんだ?人を切る!という事に何の意味がある?劇中何度も澤村は「時が無い、」という。それはこの作品を今の時代に届けなければという塚本自身の言葉なのではないだろうか。