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斬、のmuraのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
4.0
刀身を鍛えるところから始まる。不安をかきたてる音楽を背景に、耳をつんざく金属音。『鉄男』か。

幕末、江戸郊外の農村。百姓仕事を手伝いながら江戸で名をあげることを目論む浪人・都築杢之進。あるとき剣の達人・澤村次郎左衛門と出会い、ともに江戸を目指すことに。ところが村に無頼者たちがやって来て留まる。村人が不安を募らせるなか、衝突がおこる…

揺れるカメラ。『野火』のときに見せた戦場のリアリティを、ここでは剣と剣との戦いにおいて再現しようと試みる。人を斬るとはどういうことか…斬ることの質感までもが伝わってきそうな映像。

剣の技術を上げ、名声を得ようとするも、間もなく「斬る」時代は終わる。都築が言う、「てんとう虫は上に上に登ろうとする。そして登るところがなくなると天に向かって飛び立つ」。そこに未来はない。この儚さが胸を打つ。

池松壮亮は『散り椿』にも出ていた。剣さばきは岡田准一仕込みか。そして蒼井優がエロい。蒼井優は最近どうもエロい。
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