バルバワ

斬、のバルバワのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
3.7
本編前のマナー映像を観ていて「皆(劇場内の方々)は大丈夫かな!?ジロジロ(`Δ´三`Δ´)」と思っていたら「あの…」と隣の女性に私の携帯の電源切れ忘れを指摘されました…本当にすんまっせんでした!!少し気まずくなりながらも鑑賞致しました。

いやぁ、就活の時の優柔不断な私を思いました。まあ、私はエブリデイ優柔不断なのですが…。

あらすじは主人公の杢之進のウジウジしてるせいで大変なことになる!…的な感じです。

塚本晋也監督の前作『野火』が今まで観た邦画の中でも特別な作品の一つでして、しばらくビーフジャーキーを食べられなったくらいです。なので夏に今作の公開を知って「早く観たい!ワクワクスッゾ( ´∀`)」と心待ちにしておりました。

今作の主人公である杢之進をはじめ登場人物は人と修羅との間で揺れ動いています。それは全編手持ちカメラというところからも推し量れるとこです。というか調べてみたら塚本晋也監督の作品には通底したテーマなのですね💦💦シツレイシヤシタ( ´∀`;)

そして、ある人物が修羅に落ちる描写が堪らなく好きです。そして墓(?)の上で体を上下して呼吸する"なにか"になった彼はもともと話が通じない人ではなかったと思うと少し切なくなります。そこから凄惨な事態になり、そこに輪をかけて悲惨な殺し合いに発展…そして「また、落ちた。これって落ちるものなのか…」という締めの台詞が強烈でした。

というかそれもこれも杢之進がウダウダしているからです!コイツ前半は結構ヒロインゆうの弟相手に剣の稽古をつけてイキっているクセに、いざ凄腕浪人の澤村に「江戸に行って戦して人斬りして時代を切り開こー」と誘われるウジウジしはじめるんですよ!そしてこのウジウジが結構長くて退屈でして…ちょっと長く感じました。あと時代劇のわりには「何スか?」みたいな口語が多いのも気になりましたね…(まぁ、"暴力は何の解決にならない"的なメッセージをスムーズに伝える為の手段かもしれませんが)。


でも殺陣はかなりカッコいいです。今作を観ながら「カンフーアクションも良いけど、やっぱり剣術アクションも最高だな!」と再確認致しました。『君の名は。』の青春の終わりや集大成を表す為の"。"に対して『斬、』の"、"はこれから斬って斬られての地獄ツアーに赴くからなのかなとも思いました。

刀を"抜く"ということの意味深感を是非ともご堪能あれ!
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