ATSUYA

斬、のATSUYAのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
3.8
"斬るか、斬られるか、斬らないか"

トークショーへ行ってきました。目の前に塚本監督と池松さんがいたのが感激で、サインと握手の時めっちゃ緊張しちゃいました😭

本当は「面白かったです」って言いたかったのに、引きつった笑顔でただ「ありがとうございます」しか言えず、、

塚本監督は劇中の澤村とは違い、とても優しい方でした。それにユーモアがあって、会場で結構笑いが起きてました🤣池松さんはオーラが半端なく、佇まいや声が端正でとてもカッコよかったです。行ってよかったぁぁ!

2人の話の中で印象的だったことをいくつか紹介します。まずは池松さんが今作を反戦映画だと明言したこと。撮影中に北朝鮮からのミサイルによるJアラートが2回鳴り、本当に映画が完成するか悟ったとのこと。同じ鉄の物体であるミサイルと刀。時代が違うとは言え、我々は戦の前の時代、つまり一時的な平和を生きており、いつ人を傷つけなくてはならない時代が来るかわからない。

次に刀は本作の3人目の主人公だということ。刀が作られる過程から始まり、どのように使われ、どのような運命を辿るのかが繊細に描かれる。確かに言われてみると、刀が物語を翻弄し、最後は悲惨な運命を辿っており、常にストーリーの中心に置かれているのがよくわかる。

最後に塚本監督が多大な思いで『斬、』制作へ臨んでいたということ。昔から持っていた構想を基に、今という時代への危機感を世の中に訴えるために取り組み始めたとのこと。僕のような若者のどれくらいが本作を見てるかわからないが、少なくとも見た人なら現状に危機感を覚えるはず。

他にも作品に対する思いや池松さんをキャスティングした理由、ヴェネチア国際映画祭の審査員の話など貴重なお話をたくさん聞けました。

塚本監督からSNSでもっと宣伝してくれというお達しがあったので、皆さん是非映画館へ足を運んで『斬、』を見てください。そうすれば次回作が作れるらしいですよ!
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