ウサミ

ザ・ファブルのウサミのレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
3.9
漫画原作の実写化———
期待してへん分、その振り幅も大きい———

殺すことを禁止された殺し屋というイビツな設定———
そこから繰り出される“不殺”アクションエンターテイメント———

しかしチョイと残念なのは、「殺さず」アクションの面白味を最大限にに活かせていないこと———
岡田准一の生身のアクションは言うことなく素晴らしいが———
うまくやれば、コミカルかつ派手なアクションという魅力を最大限に引き出せたのでは・・・
と、“どシロート”なりに思った———


岡田准一の魅力が十二分に発揮されているアクションエンターテイメントです。
シリアスとコミカルのバランスの取れたキャラを見事に演じていました。

彼は生身でアクションが出来るので、格闘などのシーンも岡田准一本人がやっているのでしょう。にも関わらず、カットの多さと暗さ、余計な演出が多く、アクションがゴチャついてて魅力的ではないのが残念でした。せっかく本人がやってるんだから、思いっきり長回しで魅せてくれればいいのにな、と思いました。

俳優陣も、かなり豪華で、みんな伸び伸びと楽しそうに演技しているのは感じましたが、今一つ迫力やカリスマ性が足りないのが残念に思いました。
みんな、ヤクザというよりは「クローズ」みたいな感じでした。福士蒼汰のクレイジーな役回りも今ひとつ面白味にかけていましたし、向井理の親玉?的な役は、ぜんぜん怖くなかったです。

でも、その中で柳楽優弥は暴力的で恐ろしかったし、上手かったです。

好きじゃないのは、つまらないお笑いを引っ張る節があるな、と思ったところです。佐藤二朗の起用しかり、意味のない福田雄一リスペクトは日本の映画に必要ありません。

殺人シーンの不条理さや唐突な感じは、監督の「やりたい!」を垣間見れて良かったと思います。しかし、後半のアクションは一辺倒で分かりにくく退屈だったのが、もったいないところです。
せっかく「殺しちゃダメ」という縛りを与えてるのに、結局のところ主人公がちゃちな銃で急所を外すだけ、というアクションなのは、もったいないと思います。上手くやれば、コミカルかつオリジナリティあるアクションが実現できそうな設定だと思いました。

岡田准一の魅力、という意味では、映画がそれを理解しているように感じたので、素晴らしかったです。岡田准一のファンなので、そこは文句なく楽しめました。
カッコいいし、面白いし、可愛らしくて、カリスマ性もあり、運動神経バツグン。

ヒロインを演じた山本美月も、主人公が助け出す存在、助け出したくなる存在として、完璧でした。

テンポも悪くなく、展開も良いのですが、もう少し短い映画でも良かったと思います。
魅力はたくさんあったので、少しもったいなさを感じる映画でした。